映画「ナビィの恋」のあらすじ、感想、ネタバレ、結末

ナビィの恋

1999年公開。監督は中江裕司。

「琉球音楽、オペラ、ケルティックミュージック。本物のアーティストが弾き、歌い、踊る恋愛狂騒曲!!」(予告より)

あらすじ

東京で働いていた奈々子(西田尚美)は仕事を辞めて粟国島に帰省しました。

奈々子は幼馴染のケンジ(津波信一)が操舵する連絡船で島に向かいますが、島では珍しいスーツ姿の男性と、バックパッカーの青年(村上淳)を見かけます。

おじぃの恵達(登川誠仁)とおばぁのナビィ(平良とみ)の家に行くと、二人とも喜んで奈々子を迎えます。
スーツ姿の男性が島に来てからというもの、ナビィは気もそぞろでこっそり外出することが増えていきました。

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感想(ネタバレ注意)

沖縄大好き!沖縄に行きたい!せめて映画だけでも!

で、以前にも見た「ナビィの恋」を再見。

前に見た時は、DVDの写真を見て「沖縄のおじいちゃん、おばあちゃんの恋愛かぁ。ほのぼのした映画なんだろうなぁ」とのんびり見るつもりでいたら号泣(T_T)

昔のチャーミーグリーンのCM「手をつなぎたくな~る~」みたいなおじいちゃんおばあちゃんを想像していたわけですよ。若い方わかりませんね、スミマセン!

でも、そんなんじゃなくて、おじいちゃんおばあちゃんなわけだから、初見当時アラサーだった私には経験のない年季の入った愛情があって、本当に胸を打たれました。

琉球音楽にオペラまで

今回改めて見て、音楽の素晴らしさに気づきました。っていうか、前回見たときは全く印象に残らなかったんだけど、なぜ!?

昔の自分の耳を引っ張ってやりたいくらい、今回は音楽の素晴らしさに感動しました。検索で「ナビィの恋」と打つと関連キーワードで「サントラ」と出てきます。やはりみなさん音楽に感動してるんですね。

沖縄民謡はもちろん、オペラ、ケルティックミュージックまで使っていて、全然違う雰囲気の音楽なのに、すごくマッチしていて映画をうまく盛り上げています。サントラ欲しいな。

映画は奈々子の目を通して進みます。「ナビィの恋」なのでおばぁのナビィが主役ですが、奈々子も重要な役割があります。

ナビィが若い頃との比較というか。ナビィも、奈々子みたいに自由に生きられればまた違った人生だったんだろうな、と思うのです。

それには時代とか、沖縄特有のユタの存在も関係しています。

ナビィは19歳の頃、付き合っている男性サンラーがいて、妊娠していました。ところが、ユタが二人の恋路を邪魔します。

沖縄の神がサンラーの存在に怒っている、島から追放しなさい、と言いサンラーは遠くブラジルに行きます。必ず戻ってくるとナビィに約束して。ナビィのお腹の子は流れてしまいました。

この悲恋物語はモノクロの無声映画の手法で語られて、時代がかった感じでよかったです(^^)

そして、本当にサンラーは60年ぶりに帰ってきました。それがスーツ姿で船から降りてきた男性(平良進)だったのです。

一方奈々子はというと、幼馴染のケンジが何かにつけて「結婚しよう」と言ってきますが、ロマンチックなプロポーズではないし、明るく元気だけれど、奈々子は男性として見ていません。

そんな折、船で見かけたバックパッカーの青年、演をおじぃが連れてきて寝泊まりするようになります。

インチキユタ

ナビィの恋

ナビィはこっそり外出するようになりますが、実はこれまでずっとサンラーの家の墓を掃除したりして守ってきたようです。

外出先は墓でした。奈々子が子供たちに尾行させると、墓の前で帰郷したサンラーとナビィが再会し、抱擁していました。

サンラーの帰郷は島中が知ることとなり、東金城家の一族は集まると、ユタの占いに委ねました。60年前と同じです。

ユタは昔と同じようにサンラーを追放するように言いますが、ナビィは会わないことを条件にサンラーの追放を止めます。

昔と違うのは、若くて自由な奈々子の存在。奈々子は去りゆくユタの背中に向かって「インチキユタ!」と怒鳴ります。

奈々子もユタにケンジと結婚しなければ東金城家は滅びると言われていました。

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恵達の愛

おじぃ恵達は可愛がっていた牛を売ると言います。今が一番高く売れる、と。何やらお金が必要なようです。

売ったお金で買ったのは、イス型のマッサージ機でした。腰痛持ちのナビィを思ってのことです。

こっそりサンラーに会っているナビィは心苦しくなり、恵達の優しさを受け止められません。

決して「そばにいて欲しい」とか押し付けがましいことを言わない恵達の優しさに泣けてきました。だから余計にナビィは苦しくなったのでしょう。

風が強くなりました。まるで不安を抱える皆の気持ちのようです。

言葉を使わずに、風で表現するってすごい。ビジュアルで伝わってきます。

その強風の中、ナビィはマッチでろうそくに火をつけて、サンラーに手紙を書きます。「新北風が止んで波が落ち着いたら、私を連れて逃げてください」

このシーンも見事。火はナビィの心のようです。吹き荒れる風の中でも消えないのです。

届いた手紙をサンラーが開けると、中からブーゲンビリアの花びらが風で飛びました。サンラーが昔ブラジルから送った種が花となってナビィの家の庭いっぱいに咲いていたのです。

アイシテルの国へ

ナビィの恋

風が止みました。

恵達はいつものように牛の世話に行きます。でも、いつもと違って今日は「奈々子にランチを届けさせなさい。今日は海が穏やかだ。ゆっくりしなさい」とナビィに言います。

いつものように三線片手に、何事もなかったかのように車で出かけますが、「体を大事にしなさい」と言うのです。まるで別れのように。

恵達は気づいていました。今日ナビィは行ってしまうだろう、と。でも、引き止めたりせずに送り出すのです。恵達のやり方で。

恵達は以前奈々子に「ナビィと結婚できてベリーハッピーだった」と言っていました。自分は幸せだったから、今度はナビィが幸せになる番だ、ということかもしれません。

ここで私号泣(T_T)

おじぃにヤラれました。老成というか、若者みたいな情熱ではなく、深い愛情でナビィを見守っています。

愛するからこそ穏やかに見送れるんだなぁ、と。深いです。

でも、奈々子はそうではありません。ナビィを引き留めようと海に走り、ケンジの船で追いかけます。

ナビィは小さな船にサンラーと乗り「アイシテルの国(アイルランド)に行く」と言います。

船で!?

大きな海に浮かぶナビィを乗せた小さな船は頼りないけれど、やっと自由に行きられるようになったナビィそのものなのかもしれません。

外れた予言

奈々子はやり場のない気持ちを抱えたまま恵達の元に戻り、恵達はナビィが行ってしまったことを知ります。

一緒にいた演にキスし、子供たちがそれを見ています。60年前のナビィとサンラーを子供たちが見ていたように。

島の人が集まり、奈々子と演の婚約が発表され、みんなは三線に合わせて踊ります。気づくと二人の結婚式です。踊り続けると、奈々子のお腹は大きくなっていて、他にも子供がたくさんいます。

ユタの予言は外れ、奈々子は演と幸せな家庭を築き、東金城家は続いていくのです。

最後は賑やかながら、なぜか穏やかで静かな気持ちで人々が踊る様子を見ていました。

***

「ナビィの恋」なので恋愛映画ではあるのだけど、恋愛以上に深い愛情を描いた映画でした。

ホテル・ハイビスカス」と共にオススメしたい映画です(^^)

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