映画『ロンドン、人生はじめます』はイギリス、ロンドンの美しい景色も楽しめる素敵な映画でした!
ホームレスの男性が自分の住んでいた土地の所有権を得るという驚きのストーリーですが、なんと実話とのこと。
実際にはどんなことが起きていたのか、モデルとなった人物を紹介します。
目次
『ロンドン、人生はじめます』は実話
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『ロンドン、人生はじめます』は実話に基づくストーリーです。
映画のストーリーを振り返りどこまでが実話なのか考察します。
モデルとなった人物については次の項で紹介しますね。
映画のストーリー
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エミリーは夫を亡くし、ロンドンの高級マンションで一人で暮らしていました。
夫の生前の浮気がわかったり、収入はあまりないのに請求書が次々届く毎日に心が晴れません。
ある時、家から見えるヒースの森を窓から覗いていると、ホームレスが暴漢に襲われているところでした。
慌てて駆け付けたエミリーはそのホームレス、ドナルドと知り合います。
ドナルドは素直な性格ではないものの、自然に囲まれた小さな小屋で満たされた生活をしています。
エミリーは、高級マンションに住んでいるものの気の合わない住人に本音が言えなかったり、経済的な問題から逃げたりしていました。
対照的な生き方をしている二人ですが、ドナルドの庭で夕食を共にしたりピクニックをして打ち解けていきます。
しかし、ドナルドが住むヒースの森は建築の予定地となり、ドナルドは立ち退きを要求されます。
ドナルドはこれまで誰からも所有権を問われることなく暮らしてきたため土地の所有権を主張できることがわかりました。
エミリーや周囲の協力を得て所有権を訴えると、17年間そこで暮らしてきたことを無事証明できたため取得することができました。
二人は一度は喧嘩別れしてしまいますが、エミリーが引っ越した先にドナルドが小屋を移した船で訪れると仲直りしてまた二人の付き合いが始まりました。
どこまでが実話?
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「実話」とのことですが、正確には「実話が元になっているストーリー」ですよね。
どこまでが実話なのか気になります。
調べてみると、おおよそのストーリーはそのままですがドナルド以外の登場人物がいるかは定かではありませんでした。
映画ではエミリーの存在が大きく、所有権を主張できることをドナルドに教えて献身的に支えていましたが、実際には自分で弁護士に相談したそうです。
エミリーのような人物がいて、映画に描かれたロマンスがあったのか気になるところですが、そのような事実は見つからなかったのでやはり映画での脚色なのかな、と思います。
長年ヒースに住んでいたことと、所有権を主張してそれが認められたということは事実のようですが、他の部分に関してはわかりませんでした。
ドナルドが長年住んでいたことを証明するためにオーブンをくれた男性の存在がありましたが、それも実際のことだったのかはわかりません。
『ロンドン、人生はじめます』モデルとなった人物
『ロンドン、人生はじめます』のドナルドには当然ですがモデルとなった人物がいます。
人物の紹介と、その後どうなったのかについても書きます。
モデルはハリー・ハロウズ
A half-acre corner of Hampstead Heath owned by Britain’s richest homeless man could sell for £95,000. Harry Hallowes set up camp on the heath in 1987 after being evicted from his council home and was given the deeds after being granted squatter’s rights in 2007. pic.twitter.com/3XroICAp32
— Property Master Academy (@PropertyMA_) July 7, 2018
ドナルドのモデルとなったのは映画同様ハムステッドヒースに住んでいたハリー・ハロウズという人物です。
1936年生まれのアイルランド出身で、ロンドンに来たのは1950年代だそう。
ハイゲートの公営住宅に住んでいたそうですが、理由はわかりませんが追い出されてしまったそうです。
映画の舞台となったハムステッドヒースに住み始めたのは1987年です。
日本ではホームレスというと空き缶を拾ったり、最近では見ませんが雑誌を集めたりしているイメージですよね。
ハリー・ハロウズはそのようなホームレスではありませでした。
彼の人物像はわかりませんが人望があったようで、近くに住む人たちの雑用を請け負って生活していました。
仕事を頼む人たちには有名人もいて、映画監督のテリー・ギリアムもその一人でした。
頑固で短気なドナルドと雰囲気は違いますが、温かみがある性格は同じなのでしょうね。
2005年に立ち退きを要求されるとハリーは弁護士に相談し、前述のように長年暮らしてきた証拠を集めることができました。
無事に所有を認められた土地の価格は100万ポンド(当時で約2億4000万円)とも200万ポンド(同様に約4億8000万円)とも言われていました。
「ロンドンに住むホームレスのトランプ」なんて言われたそう。
ですが、ハリーは土地の価値はどうでもよくて、ただ住む場所を守りたかったようです。
その後のハリー・ハロウズ
Revealed: The £3million mystery behind Harry Hallowes, the homeless hermit of Hampstead https://t.co/AsjlMM13CN pic.twitter.com/CgPGgOoMun
— The Sun (@TheSun) June 20, 2017
映画のラストではエミリーを追いかけて、小屋を船に移動させてきましたね。
実際のハリーは2016年2月に亡くなったそうです。
所有していた半エーカーの土地は、ホームレスの慈善団体に譲られました。
死後に土地は競売にかけられましたが、その金額が驚きです。
100万ポンドでも200万ポンドでもなく、15万4千ポンドだったとのこと。
大きな金額には違いませんが、報道されていた金額とはかけ離れていますね。
映画ではハリーの最後については語られなかったので、後から知って驚きました。
『ロンドン、人生はじめます』が好きな人におすすめの映画
『ロンドン、人生はじめます』がお好きな方におすすめしたいのは『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』という映画です。
ダイアン・キートンとモーガン・フリーマン演じる夫婦はニューヨークでエレベーターのないアパートに住んでいますが、足の悪い夫は階段の昇り降りがきつくなってきます。
アパートを売って引っ越しを考えるのですが色々思うところあって…という物語。
ほんの数日間のお話ですが、夫婦の人生と人間模様がすごくいいです!
私は『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』でダイアン・キートンのファンになって『ロンドン…』を見ました(笑)。
まとめ
・ドナルドのモデルとなったのはハリー・ハロウズ
・2016年に死亡。競売にかけられた土地は15万4千ポンドだった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!