映画MOTHER(マザー)の元ネタの事件は?実話と原作の本についても

家族

長澤まさみが初の汚れ役を熱演して話題の『MOTHER』ですが「実話に基づく物語」ということで、実際に起きた事件やモデルとなった人物がいます。
今回はその事件と、取材による映画の原作ともいえる本を紹介します。

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『MOTHER』の作品情報

【劇場公開日】2020年7月3日
【製作年】2020年
【製作国】日本
【配給】スターサンズ、KADOKAWA
【監督】大森立嗣
【キャスト】長澤まさみ、奥平大兼、夏帆、阿部サダヲ、仲野太賀、他

あらすじ

17歳の少年が祖父母を殺害しました。
なぜ少年は殺害に至ったのか。

少年の母は彼を学校にも行かせず、ホストクラブ通い。
少年が働いたお金はすべて交遊費に当てていました。

それでも母は少年を愛してはいましたが…。

映画『MOTHER』マザーの元ネタとなった事件は?

元ネタとなった事件「川口祖父母殺害事件」

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映画『MOTHER』マザーの元ネタとなったのは、埼玉県で起きた「川口祖父母殺害事件」です。

2014年、17歳(事件当時)の少年が祖父母を刺殺し金やキャッシュカードを奪って逃げました。

事件の発覚

事件に気づいたのはアパートの大家です。

被害者夫婦が住む家の新聞が溜まっていることに気づき、夫婦の長女に連絡した上で警察が調べることになったのです。

不思議なのは、夫婦はきちんと鍵を施錠しチェーンをかけていたのです。

しかも、夫婦を殺害した犯人は外から鍵をかけて逃走しています。

このことで、夫婦の身近な人物が疑われます。

警察の調べで現場近くの防犯カメラに夫婦の次女とその息子が写っていることがわかりました。

二人が被害者夫婦のキャッシュカードを使い銀行から金を引き出していることが発覚しました。

なぜそのようなことが起きたのでしょうか。

事件に至るまでの背景

祖母を刺殺した少年の家庭は荒れていました。

愛人の家ばかりにいる父親と働かない母親。

父親が家賃として渡した金を母親はパチンコに使ってしまいます。

 

生活はどんどん乱れ、母親が父親以外の男性を家に入れるようになり、少年が10歳の時に両親が離婚し、母親が引き取って育てたそうです。

母親はホストクラブ通いに明け暮れ、1ヶ月帰ってこないこともあったそうです。

母親とホストが再婚しますが、各地を転々としてラブホテルに泊まっていたそうです。

 

生活費がなくなると、2年以上もホテルの敷地内にテントを張ったり野宿したり…。

少年は小学5年生から学校にすら通ってなかったそうです。

そんな生活ですから、少年は住民票はあっても居所のわからない「居所不明児童」となってしまいます。

更に、両親から虐待・ネグレクトされ親戚に金の無心をさせられたそう。

 

生活保護をもらって簡易宿泊所で生活していた時はフリースクールに通うこともできたそうです。

ですが、それも長続きしません。

本人が学校に行きたくても、母親が他人からの干渉を避けるため簡易宿泊所を退所。

学校に行くこともできなくなりました。

少年はとっても健気で、生まれた妹のオムツを変えたり面倒を見ていたそう。

「礼儀正しい子」と評判だったようです。

母の脅迫と支配

義父が失踪し16歳になって少年は働き始めますが、その金はすべて母親の交遊費になってしまいます。

少年は給料の前借りを繰り返していましたが、それもできなくなりました。

そして事件は起こります。

母親の指示でとうとう祖父母の殺害と金の強奪事件を起こすのです。

少年は、母親に脅され支配されていました。

母親から逃げることはできなかったのかな、と思ってしまいますが、そこは当人たちの間でしかわからないことなのでしょうね。

祖父母から奪った金は母親に使われてしまったそうです。

少年の気持ちを考えると本当にやりきれない事件ですね。

判決

この事件に対する二人への判決は

祖父母を刺殺した少年は懲役15年

母親は強盗と窃盗罪で懲役4年6ヶ月

少年は完全に母親の支配下で行ったことだと思いますが、実行犯となるとこのような判決になるのですね。

本当につらい事件です。

 

書籍『誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』

川口祖父母殺害事件について書かれた『誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』という書籍があるので紹介しますね。

毎日新聞記者の山寺香が少年に取材しまとめたものです。

山寺香は本事件の裁判員裁判を傍聴し取材を始めたそうです。

少年は取材に対し拒むことはありませんでしたが、それまでの生活から大人に対する信頼感は感じられなかったそう。

なぜなら…大人は自分になにかしてくれる時は、その人にとって大きな得があるから。
そのために自分に良いことをしてくれているだけ。

そういう大人に対する不信感でいっぱいだったようです。

ですが、取材を書籍化する許諾を取ろうとするとあっさり許可したそう。

大人に対する期待はないのでしょうが、ある種の諦めのように「まぁいいんじゃないの」という感じなのかもしれません。

著者の山寺香の姿勢はすごく真摯で、その根底にあったのは「少年を傷つけたくない」という思いだったそうです。

これまで大人に利用され、虐待され、裏切られ続けた少年だったからこそ取材・執筆において彼を傷つけることはできない、と思っていたのでしょう。

本の中で少年の思いを連ねた言葉があるので紹介させて下さい。

 

「一歩踏み込んで何かをすることはとても勇気が必要だと思います。その一歩が目の前の子どもを救うことになるかもしれない」
「やはりその一歩は重いものです。そしてそれは遠い一歩です」

 

少年が自分の置かれた境遇で常に思っていたことなのでしょう。
重いですね。

映画MOTHERの原作本といえるかどうか

この本は原作としてクレジットされているわけではありません。

ただ、事件について加害者にインタビューし少年の境遇や心情を詳しく書いているので、そういう意味では映画の原案ともとれますね。

気になる方はぜひ読んでみて下さいね。

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まとめ:MOTHERという映画タイトルの重さ

・映画『MOTHER』の元ネタとなったのは川口祖父母殺害事件。
・事件について書かれた書籍『誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』が出版されている。

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