映画『シンクロナイズドモンスター』ですが、ラストが気になる方もいるでしょう。
すでにご覧になった方でも、ちょっとわからなかったり疑問に思う方もいるかもしれません。
今回は結末のネタバレと疑問に思う部分の解説・考察を書いています。
目次
『シンクロナイズドモンスター』のラスト・結末
豹変したオスカー
空き家となった実家に帰ってきたグロリアに対し、優しくしてくれたのは同級生だったオスカーでした。
何かと協力的で、仕事がないグロリアを自分のバーで働かせてくれたり。
グロリアは酔うと羽目を外してしまうのですが、シンクロしたモンスターを動かしている時によろけてしまい韓国に大きな被害を出してしまいました。
この時もオスカーはグロリアに協力し、韓国人の友達に翻訳してもらい謝罪のメッセージを韓国で伝えました。
そして、オスカーは怪獣と同じ場所に現れるロボットとシンクロしていました。
そんないい人のオスカーが、友人のジョエルとグロリアが関係を持ったことがわかると豹変してしまいました。
急にグロリアに対し支配的になり、友人たちに対しても意地悪な態度を取ります。
それだけでなく、韓国に現れるロボットを操れるのをいいことに、自分に従わないとロボットを使って韓国に被害を出そうとします。
そんなことをしたくないグロリアは我慢しますが、オスカーの態度はひどくなるばかりです。
モンスターが誕生した訳
グロリアの元彼、ティムがグロリアと復縁しようと迎えに来ました。
オスカーはグロリアがどこにも行かないようバーで大きな花火をあげてみせ、こんなことをしてもグロリアはここに残る、と脅します。
映画の終盤、グロリアはモンスターが最初に現れた子供の頃のことを思い出します。
自分が作った韓国の街の模型をオスカーに潰され、怒りによってモンスターが生まれた時のことを。
モンスターはグロリアの分身、同様にロボットはオスカーの分身です。
オスカーを倒さないとロボットを倒すこともできません。
モンスターと入れ替わって決戦
グロリアを支配したいオスカーは見張るために家にまで押し入り、二人は激しく戦います。
しかし力で勝てないグロリアは砂場でオスカーに負けてしまい、オスカーは砂場を踏み荒らし韓国をめちゃくちゃにします。
グロリアはふと何かを思いつき、飛行機で移動します。
ティムとニューヨークに帰ったように見えたグロリアでしたが韓国に行ったのでした。
グロリアの目の前にロボットがいます。
アメリカのオスカーの前にはモンスターが現れました。
モンスターを操り、手でオスカーをつかみました。
立場が逆転し、許しを乞うオスカーでしたが、モンスター(グロリア)はオスカーを放り投げてしまいました。
モンスターもロボットもいなくなり、歓喜に沸く韓国の町をグロリアは歩きます。
店に入り泣き出してしまったグロリアですが「すごい話があるの」と言い、酒を勧められたところでエンディングです。
疑問をネタバレ考察・解説
オスカーはなぜ豹変したのか
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グロリアとオスカーは性格は違うけれど、ある意味似ていたと思います。
二人が子供の頃作ったような模型のような小さな箱庭に象徴されるように、小さな世界でもがきながらうまくいかない人生を歩んでいるダメな大人たちです。
グロリアは都会のニューヨークで、自分の才能を活かし、作家とはいえないけれど文章を書いて生計を立てていました。
オスカーは子供の時文章でグロリアに勝てずうらやましく思っていたのでしょう。
彼女の記事を全部読んでいた、というのは初めは愛情かと思いましたが、どうやら違ったようです。
都会でうまくやっていたと思っていたグロリアが田舎に帰ってきた、しかも無職で。
どうやら仕事で失敗したらしいグロリアに親切にしたのは、自分のほうが今はうまくいっているからです。
いつもバーにいる友達も、自分より下に見ているから仲良くできているのです。
ところが、バカにしていたジョエルがグロリアと関係を持ってしまった。
バーは昔より小規模になり、恋人にも飽きられ、今度は見下していた二人が幸せになろうとしている。
それで、もともとの性悪な性格が出てきたのでしょう。
子供の頃グロリアの模型を壊してしまったような悪い部分が現れました。
それを象徴しているのが
「主役が回ってきたのに邪魔するな!」
というセリフです。
巨大ロボットとなって、箱庭でも砂場でもなく韓国の町を破壊できる力を持ったのに、それを邪魔するなんて、というわけですね。
はじめはグロリアも言っていたように、彼女を自分のものにしたいだけかと思いましたが、もっと根が深かったようです。
はじめに「似たもの同士」と書きましたが、似ていても向かう方向はグロリアと違いましたね。
こじらせたおじさんってやっかいですね(;^_^A
モンスターはどうやってオスカーの前に現れた?
グロリアが、暴走するオスカーをやっつけたその気持はわかりますが、どうやってモンスターをオスカーの前に出現させたのかちょっと謎でした。
グロリアが故郷の公園にいるとモンスターはソウルに現れます。
だから、グロリアがソウルに行けばモンスターは入れ替わりでアメリカに現れる。
きっとそういうことですよね?
でも、映画を見ている時はよく理解できませんでした^^;
私だけ?
というのも、グロリアとモンスターの居場所が交換できる、という条件が特に語られていなかったから。
ここを先に伏線張って描いておいて欲しかったなぁ、と思いました。
そしたらオチがバレてしまうでしょうか。
難しいですね…。
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オスカーへの仕打ちは妥当?
もう一つ、ラストスッキリしない点があります。
モンスターに掴まれて許しを乞うオスカーですが、グロリアは苦しい表情をした後放り投げます。
この仕打はどうだったのかしら、と少しモヤモヤしてしまいました。
もしここではっきりと殺してしまったら残酷な描写になってしまって後味が悪かったかもしれません。
だから「もしかしたら生きているかも」という可能性を残し、優しさのある描き方にしたのでしょう。
でも、もし生きていた場合、オスカーはどうなっていたでしょう。
登場した最初の頃のいい人のオスカーに戻るのならいいと思います。
もしかしたらイヤなヤツのままグロリアを恨みながら生きるかもしれません。
というかその可能性が高いですよね、生きていたら。
だから、どうせならオスカーを更生(?)させて終わらせて欲しかったなぁと思いました。
モンスターやロボットは、人間を超える力があるのだから、街を破壊するだけでなく人の役にだって立てるはずです。
だから、ロボットを使って人の役に立てる経験をさせてみるとか。
ベタすぎ^^;?
いずれにせよ、何かスッキリするようなラストがよかったなぁ、と思いました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
シンクロナイズドモンスターはなぜ韓国に出現?シンクロする理由は?