映画紙の月タイトルの意味は?ラスト結末についても考察

紙の月

映画『紙の月』ですが、なんとも不思議なタイトルです!
どんな意味があるのでしょうか。
見た人は結末についても考えてしまうと思います。
今回はそんな『紙の月』について考察します!

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『紙の月』の作品情報

【劇場公開日】2014年11月15日
【製作年】2014年
【製作国】日本
【配給】松竹
【監督】吉田大八
【キャスト】宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、石橋蓮司、小林聡美、他

あらすじ

バブル崩壊直後の1994年。夫と2人で暮らす主婦・梅澤梨花は、銀行の契約社員として外回りの仕事に従事し、その丁寧な仕事ぶりで周囲にも評価されていた。
一見すると何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だが、自分への関心が薄い夫との関係にむなしさを感じていた。
そんなある日、年下の大学生・光太と出会った梨花は、光太と過ごすうちに顧客の預金に手をつけてしまう。
最初は1万円を借りただけのつもりだったが、次第にその行為はエスカレートしていき……。
引用元:映画.com

『紙の月』タイトルの意味は?

紙の月

『紙の月』って不思議なタイトルですよね。
その意味は映画の終盤で語られます。

梨花の銀行での横領が発覚し、先輩の銀行員より子と話します。
その時、初めて光太と夜を過ごし朝帰りした時のことに触れます。

明るくなり始めた空に浮かぶ月はまるで紙のようでした。
その月に手を伸ばし、指でこするようにしたら消えてしまいました。

なぜ消えるの?と問うより子に梨花は言います。

「ニセモノだから」

「幸せだったんです、あの時。

幸せだったけど、いつかは終わるな、と思ってた。
悲しいんじゃなくて、当たり前に。

だってそういうものだから。
本物みたいだけど、本物じゃない。
初めから全部偽物。」

「ニセモノなんだから、壊したっていい。怖くない。
そう思ったらなんだか体が軽くなったみたいで、ああ私自由なんだな、って。

だから私、本当にしたいことをしたんです」

つまり、「紙の月」とは光太との恋愛、紙幣でありニセモノの象徴として表現されています。

恋愛も横領もいつかは終わるもの。
ニセモノだから。

でも、どうせニセモノなんだから思い切り自由にやってやろう。

そう言う梨花に対しより子は

「確かにニセモノかもね、お金なんて。ただの紙だもん。

でも、だから、お金じゃ自由にはなれない」

そう語ります。

より子はこの映画を見る観衆の代表であり常識者の意見です。
ほとんどの人がそう思っているから犯罪に手を染めずに生きているのです。

でも、そんなより子を梨花は揺さぶります。

梨花は窓に椅子を投げつけて割ると、そこから逃げようとします。

手をかけて引き留めようとするより子に

「一緒に来ますか?」と問います。

より子は驚き、梨花は逃走します。

スーツ姿、ハイヒールで軽やかに駆けていく梨花が印象的です。

その間に梨花の夫は仕事で接待し、大口の客だった平林は趣味に勤しみ、光太は新しい彼女とデートしています。

でも、はじめは楽しげだった光太の目はどこか虚しく空を見つめています。
常識的に生きながらも諦めをもっている人たちの象徴なのかもしれません。

ペーパー・ムーンについて

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昔、アメリカでは上の写真のように作られた月に乗って撮影するのが流行りました。
実際には紙ではなかったようですが、これも「紙の月」paper moonですね。

当時は個人でカメラを所有する時代ではなかったので、なにか特別な時に写真館で撮るものだったと思います。
幸せの象徴のようですね。

映画『紙の月』の英訳はpale moonですが、単純に日本語の「紙の月」を英訳すればpaper moonになります。

写真の紙の月のように「ニセモノ、まやかし」という意味があります。
でも「信じていれば本物になる」というなんともロマンチックな意味合いもあります。

映画『ペーパー・ムーン』の主題歌でも
it’s only a paper moon と歌われていましたね。

「ただの紙の月じゃない。あなたが信じてくれれば」

梨花がニセモノの月(紙幣)を使って自由を手にしたことと被ります。

ラスト結末について考察

ラスト、梨花は東南アジアらしき雑踏にいます。

市場に積まれた果物の山からりんごが崩れ落ち、拾っている少女に梨花はりんごを渡そうとしますが少女は受け取りません。

少女の行くほうについて行くと、父親らしき男性がいました。

その男性の頬には特徴的な傷がありました。

梨花は子供の頃に学校で恵まれない子供たちに寄付をしていました。

他の生徒たちは初めは寄付をしていたのに徐々に寄付をやめ、梨花はその分を埋めるように父親の財布からお金を抜き取って寄付してしまい、問題となり寄付は中止となりました。

その時梨花の元に届いたお礼の手紙にあった少年の写真にも同じ傷がありました。

思いがけず梨花は、成長して父親となった少年に会うことができたのです。

呆然とする梨花に男性は「いいよ、そのりんごあげるよ」とでも言っているようです。

梨花は無表情でりんごをかじり、男性は「おかしな人だな」とでもいうように微笑み仕事に戻ります。

遠くから歩いてくる現地の警察官の姿が写り、男性がふと梨花がいた場所を見ると立ち去っていました。

梨花は雑踏の中に消えていきます。

複雑なラストです。

寄付を受けていた少年は、そのお金だけがよかったわけではないのでしょうが無事に大人になり子供もいて幸せそうです。

そのことは、梨花が子供の頃にした寄付を肯定するようにも思えます。

一方梨花は警官を見て立ち去るような人生を送ることになったわけです。

常識的に考えれば、横領はもちろん犯罪ですしどこか諦めつつも光太やより子のような人生を送るのが普通の幸せといえます。

でも、梨花はその「普通」からはみ出してしまい、もう戻らないという選択をしました。

雑踏に消える梨花の背中が淋しくも強くも見えました。

一人の女性の生き方を通して「あなたはどう生きるの?」と問われているように感じました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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