映画『パーマネント野ばら』では主人公なおこの行動が不思議なところがありますよね。
そのなおこの症状に着目してみました。
「病気なのでは?」「統合失調症では?」という見方もあるようですが、どうなのでしょう。
『パーマネント野ばら』のなおこは病気?
なおこは、普段は明るく、母親の美容院「パーマネント野ばら」の手伝いをしています。
娘のももの面倒を見て、昔からの友達もいて、普通に暮らしている女性です。
ですが、恋人のカシマの存在はなぜか秘密のようです。
なおこは離婚しているし、カシマが妻子持ちという描写はないので秘密にする理由はないのに。
不思議な行動段々と顕著になっていきます。
2人で旅行に行きますが、一緒にいるはずのカシマがいません。
会って話せばいいのに、なぜか電話ボックスで泣きながら「寂しい」と訴えたりします。
昔からなおこを知る友人、ともちゃんに「実はカシマと付き合っている」と言うと、ともちゃんは困った顔で
「知ってるよ。何遍も聞いたよ。なおちゃんは忘れっぽいなぁ」と言います。
なおこは「いつ言ったんだろう」と不思議そうです。
そしてラスト、海辺でなおことカシマが話しています。
「一緒に暮らすか?放っといたらどっか行っちゃいそうだからな、あんたは」とカシマに言われますが、答えないうちにみっちゃんに声をかけられます。
見回すとカシマはいません。みっちゃんと2人。
カシマはとうに死んでいるのです。
それを受け入れられず、なおこは妄想の中でカシマと会っていました。
なおこの周囲の人たちはそれを知っていて、温かく見守っています。
なおこの友人、みっちゃんやともちゃんはもちろん、いつも下ネタで盛り上がっているおばちゃんたちも。
みっちゃんになおこが問うシーンは泣かせます。
「みっちゃん、私狂ってる?」と聞くなおこに、みっちゃんは
「それならこの町の女はみんな狂ってる。私たち、世間好みの女をずっとやってきたんだもの。これからは好きにさせてもらおうよ」と答えるんです。
なおこのことを否定せず、かといって変に慰めるようなことも言いません。
こういう人たちがいるって本当に幸せなことですよね。
カシマの「一緒に暮らすか?」という問いかけも危ういです。
この世との境界を思わせる海辺で、死んだはずの人に「一緒に」と言われているのです。
でも、そこに現れる友人がいる。
こういうシーンが映画に温かみをもたせているのだと思います。
なおこは統合失調症なのか
「なおこは統合失調症ではないのか」と思う人がいるようです。
統合失調症の陽性症状として、妄想や幻覚といったものがあるので、
なおこが現実にはいないカシマと、妄想で逢瀬を交わす描写から、そのように考えるのだと思います。
私は医学の知識がないので、「統合失調症」なおこが統合失調症かどうかの診断はできないのですが、そう思う人がいても不思議ではないなぁ、と思いました。
『パーマネント野ばら』が好きな人におすすめの映画
『パーマネント野ばら』のような狂気が入り混じる恋愛映画って浸ってしまいますよね。
もっとこういう世界に浸りたい!という方におすすめの映画を紹介しますね^^
リービング・ラスベガス
アルコール依存で落ち目の脚本家ベンをニコラス・ケイジが演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
妻子が去り、復活を目指すどころか死ぬまで飲もうとラスベガスにやってきました。
彼と出会った娼婦サラはベンと惹かれ合いますが、ベンは「死ぬのを止めないでくれ」と言います。
ベンの死を見届けようと決意するサラとの関係が、悲しいけれど胸に迫ります。
髪結いの亭主
パトリス・ルコント愛の三部作の一つ。
「髪結いの亭主」という言葉は昔「ヒモ」を意味していましたが、本作では主人公アントワーヌが子供の頃夢見た姿です。
アントワーヌは大人になると、本当に美しい理髪師の女性と出会い結婚します。
あらすじだけ聞くと普通のラブストーリーのようですが、そこはルコント監督。
コピーの「匂い立つ堪能の香り」という言葉がピッタリです。
仕事中の妻に後ろから触れるシーンなど、エロティックだけど美しいです。
まとめ
映画の中でなおこが治療している描写はないので、統合失調症なのか、何か他の病気なのかはわかりません。
ただ、周囲の人々が温かくなおこを見守っているので、きっと明るい未来が開けるのでは、と思いました(*^^*)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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