人数の町の人数とは?ラスト結末の意味をネタバレで解説・考察!

newyork

映画『人数の町』を見ました!
タイトルの「人数」とはどういう意味なのでしょう。
また、ラストもちょっと謎ですよね~。
ネタバレありで結末を解説・考察しますので、映画未視聴の方はご注意下さいね!

Sponsored Link

『人数の町』の人数とは?

『人数の町』とは不思議なタイトルですよね。
「人数」という言葉が映画内でどのような意味で使われているのでしょうか。

特徴的なシーンからその意味を探ります。

「数」で表される人

 

この投稿をInstagramで見る

 

s子(@i.am.s0421)がシェアした投稿

映画の序盤、

「日本の失踪者 8万4865人」
「ネットカフェ難民 9851人」

というように人数を列挙していくシーンがいくつかあります。

ネットカフェの代金が払えなくなった人を黄色いつなぎを着たチューターが連れていく場面などが間に入り、

現実の数字と合わせることで、

実際にこうやって連れて行かれているのでは?と

思わず想像してしまう仕掛けになっています。

謎めいたチューターのセリフ

後半に主人公の蒼山が恋人となった紅子と逃亡しているところをチューターに止められるシーンです。

チューターは、抵抗せず町に戻ろうとする蒼山たちに向かって

「いいのよ、また戻ってちゃんと人数やってくれれば」と言います。

その言葉に反応した蒼山に、ごめんね忘れて、とも。

蒼山が「つまり俺たちは…」と言うと

「そうよ。
でも公平よね、ちゃんと人数さえやってれば
衣食住なんの心配もなくのうのうと生きてられるんだから」とチューター。

ここでどういうこと?と思った人は多いと思います。

人間が個人ではなく単なる数字と扱われている社会

上記のチューターのセリフ、人数が象徴されているシーンを踏まえて考えると

『人数の町』の「人数」とは

人間を個人ではなく、単なる「数字」として扱われていることを意味しているのだと思います。

 

「人数の町」では食べるものも住む場所も保証され、望む快楽も手に入ります。

それぞれ事情があってそこに来た人たちは、初めは緑のように抵抗があったのかもしれません。

でも、努力しなくても何もかも手に入る生活に慣れると無気力になり、感情もあまりないように見えます。

「ブタ」と罵られた男性も怒ることもなく、食べ続けていました。

子供を取り上げられた女性も、一緒に暮らせないのに悲しそうな様子はありません。

 

サクラとしてネットに悪口を書いたり絶賛したり、見ず知らずの人になりすまして決められた党に投票したり。

時には謎の薬の治験でどうなるかも理解せず薬を飲んでいます。

その様子はゾッとするものの、実は今の社会を風刺しているようにも思えました。

実は気づかないうちに私たちも「人数」になっているのかも、という気にさせられる作品ですね。

町は現実社会の風刺?

チューターとは組織において、新人の教育をする立場の人のことです。

新人がその組織でうまく仕事をできるようになるべく指導していきます。

 

つまり、「町」は組織でありその組織が請け負う仕事をサクラとして「人数」がこなすため、チューターたちが指導しています。

「人数」はできるだけ大人しく、組織の意図するよう仕事してくれればいいのです。

 

まさにチューターが言っていた

「人数やってくれればいい」ということですね。

これって、現実社会の会社に通じるものがあります。

社会の図式をわかりやすく可視化してくれたもの、と考えるとこの映画が面白くなると思います。

『人数の町』のラスト・結末の意味をネタバレで解説・考察

ラスト、「どういう意味?」と思った方も多いと思います。

結末を振り返りながら、私の考察を書きますね。

『人数の町』のラスト・結末

「町」で暮らす蒼山は元々その環境に順応していましたが、更に感覚が麻痺したのか

ある女性が「人を殺したことがある。同じ過去を持つ人たちは他にもいる」と聞いても何も思いませんでした。

 

しかし、ある時紅子という女性が町にやってきました。

紅子は緑の姉でした。

 

緑が子供を連れていなくなり探していたのですが、テレビで緑を見かけてこの町にたどり着いたのでした。

紅子は以前緑に助けを求められたのですが、事態を把握していなかったので断ってしまい、そのことを悔やんでいました。

 

町で緑に再会し、和解して連れ戻そうとする紅子ですが緑は仲直りしようとはしません

必死な様子の紅子を見た蒼山は、徐々に麻痺していた感覚を取り戻し紅子を助けようとします

 

町を出るつもりがない緑を諦めた紅子は緑の娘、ももを連れて町を出ようとします

しかし町を無断で出ようとすると、頭部に埋め込まれたチップが反応して脳内に音楽が大音量で流れ耐えられません。

蒼山は、チューターが持っていた機械を奪い音楽を止めることに成功します。

 

ももを連れて町を出る三人ですが

戸籍を奪われて住む場所もありません。

倒れた紅子を連れて病院に行くと、妊娠が判明します。

 

そこに現れたチューターのポールに蒼山は

「自分たちの力で生きたい」と言います。

 

そして明け方の場面になり、蒼山と紅子、子供が川の字になって眠っています。

仕事に出かける蒼山を見て起き上がった紅子のお腹は大きくなっています。

 

冒頭と同じ広々とした場所に変わり、二人の男性が美しい景色を眺めています。

黄色い服をきたチューターがデュードに

「なぜ美しいかわかるか。

自由だからだ」と言います。

感慨深げにそう言うチューターは蒼山でした。

ラスト・結末の考察

ラスト、チューターとして生活をしていた蒼山の姿には驚かされました。

町の外、元の世界に戻った蒼山たち居場所はありませんでした。

 

コンビニ強盗までして生活する場所を見つけようとした蒼山ですが
倒れて妊娠が発覚した紅子、お腹の子供やもものことを考えたら
逃亡生活を続けるわけには行かなかったのでしょう。

元の生活に戻ろうとしただけなのでおかしな話ですが
「町」に住む時の契約書には全部書かれていたのでしょうね。

 

町の外の生活を諦めてチューターとなる選択をした蒼山。

結局、借金取りに追われて「町」に来た時と同じです。

でも、今度は町にいる選択をしたのは自分です。

 

家族のため、もちろん自分のためにも
好きではない仕事かもしれないけれど、

納得してチューターとして働く決意をしました。

 

以前と同じく町にいる蒼山ですが
彼は今それが「自由」なのです。

家族のため、生きていくために
好きではなくても辞めずに今の仕事を続ける。

やっぱりどこか現実世界の会社員、
私たちのことを描いているのかもしれません。

中村倫也のおすすめ出演作

『人数の町』を見てもっと中村倫也出演作を見てみたくなった方におすすめの映画を紹介します!

ファーストラヴ

堤幸彦監督作品のミステリー・ヒューマンドラマです。

北川景子演じるヒロインの由紀は心理師としてある事件の取材をします。

父親を殺した事件の容疑者である環奈について取材を進めるうちに自分の過去と向き合っていきます。

中村倫也は由紀の過去の恋人迦葉、現在は仕事として関わることになった複雑な立場を演じています。

迦葉自身も不幸な過去があり、中村倫也が演じるとそんな暗い背景に説得力があります。

重い映画ですが、由紀と環奈の心が響き合う様子は見ごたえがあります。

私をくいとめて

お一人様生活に慣れきって楽しく穏やかに生きているみつ子。

困った事が発生すると脳内の相談役Aにアドバイスをもらいながら解決しています。

しかし恋人多田と付き合い始めたみつ子は戸惑いを覚えます。

中村倫也は脳内のもう一人のみつ子Aの声を演じています。

声のみの出演ですが、いつも冷静で正しい判断を下すA役が印象に残りました。

水曜日が消えた

主人公は「火曜日」。
正確には曜日ごとに人格が変わる「7人の僕」です。

その7人の中でも一番地味で目立たない存在の火曜日ですが、ある朝目が覚めても「火曜日」の僕のままでした。

初めて体験する水曜日は新鮮で、その日を謳歌しますが次第に日常の歯車が狂い始めます。

中村倫也が7人の人格を演じているのが見どころです。
とはいっても7人すべてが登場するのではないのですが、個性の違う「僕」を演じ分けているのは面白いですね。

ラストのクレジットもこの映画の特徴を表していて楽しめました!
ぜひ最後までご覧くださいね。

本作の他たくさんの映画がU-NEXTなら無料おためし視聴ができます。
サブスクで映画視聴するなら圧倒的な作品数を楽しめるU-NEXTがおすすめです!

 

U-NEXTを無料おためしする>>

動画配信サービスU-NEXT(ユーネクスト)に登録する方法!ビデオ見放題サービスが使える!

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

Sponsored Link

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください