ワンデイ23年のラブストーリーのあらすじと感想!ラスト結末をネタバレ

ワン・デイ

2011年公開、ロネ・シェルフィグ監督。

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のあらすじ

1988年7月15日、大学の卒業式でエマ(アン・ハサウェイ)とデクスター(ジム・スタージェス)は出会った。

卒業生の気の置けない仲間たちと朝まで盛り上がった末、二人はエマの部屋に行く。

二人が話したのはこの日が初めてだったが、エマは以前から密かにデクスターに想いを寄せていた。

でも、真面目なエマは遊びで関係を持つことはしたくないし、デクスターもそれを受け入れて「親友」という関係を続けることを選ぶ。

お互いに好意を持ちながら、それぞれに違う人生を選びながら、時には違うパートナーと過ごしながら、毎年7月15日は会って過ごす。

そんな二人の7月15日は23年間続いた。

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『ワン・デイ 23年のラブストーリー』の感想(ネタバレ注意)

ポスター・ヴィジュアルを見て何この素敵な絵!しかもアン・ハサウェイ!見てみよ~。

なんて感じで前情報なしに軽く見始めたらうっかり号泣な映画でした(;_;)

冒頭のアン・ハサウェイが泳いでいるシーンを見た時に「いい映画って始まりのシーンでもうわかるなぁ」なんて通ぶってたら、本当に当たり。

大学卒業後、真面目に自分の夢に向かって努力しながらもなかなか芽が出ないエマと、対象的に好スタートで華やかなテレビ業界で活躍するデクスター。

性格も何もかも違う二人が、年に一度7月15日だけ会って友人関係を築いていくという設定が面白いです。

以下ネタバレになりますのでご注意くださいね。

うさぎとかめ

エマは作家になることを夢見ながら、現実はメキシコ料理店でアルバイトをして暮らしています。

作品を書き溜めながらも芽は出ず、でもバイト先では温かい仲間に恵まれていました。

わかるよぉ、この現実に埋もれそうになる感じ!

一方デクスターは裕福な両親の元に育って、卒業後はテレビ番組の司会者として華々しく活躍していました。

まるで童話のうさぎとかめのようなスタートです。

二人は一緒に旅行に行くこともありました。お互い好意を持っていることは明白で、裸で泳いだりして、恋人になるのにあと一歩な感じにもなるものの、やはり友人関係を続けます。

 

デクスターは、深夜番組の司会者をしていて、華やかなようでいて、低俗でつまらない番組を担当しています。両親も快く思っていません。

本人もそれはわかっているものの、現状を脱出できずに酒、女性、薬に溺れていきます。

このシーン、泣けてきました。うまくいくはずだったのに、なんでこうなっちゃったんだろう、とか出口の見えない感じが切ないです。

一方エマは実直に生きていて、教師になっていました。メキシコ料理店でバイトしていた時に知り合った売れないコメディアンのイアン(レイフ・スポール)と暮らしています。

そんな状況の中で会ったデクスターとエマは喧嘩してしまいます。

 

そしてまた時が経ち、デクスターは本当にしょぼいゲーム番組を担当していましたが、その番組さえクビになってしまいます。

もう落ちるところまで落ちたな、という感じです。失意の中、彼を救ってくれたのはシルヴィという女性でした。

一方エマはイアンとはうまくいかずにいました。もともとイアンのほうがエマに好意を寄せて付き合い始めましたものね。

でも、やっとエマの夢が叶い、本を出版できることになりました。

友人の結婚式で再会した二人は近況を報告しあい、デクスターはシルヴィとデキ婚することになったと伝えます。エマは祝福しました。

このシーン、いいですよ。ビルの屋上でエマがデクスターを祝福するんです。この時は男女で想い合いながも親友という立場を選んでよかったな、と思わせてくれます。

 

でも、そんな幸せは長くは続かず、なんとシルヴィはデクスターの友人と不倫してました。

しかもまだ赤ちゃんの子供の面倒をデクスターに見させて自分は不倫相手と密会。

えー!(-_-;)

結局デクスターは離婚してしまいます。かつては華やかだった仕事を失い、美人の妻とも別れ、服装も放浪者のような感じになったけれど、ギラギラしていた頃よりさっぱりして見えます。余計なものを削ぎ落としたような。

エマは作家として成功していました。とうとうかめがうさぎを追い抜いたんですね。

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のラスト結末

二人はエマが住む美しい町で再会します。

エマに恋人がいると知ってがっかりします。でもね、この時の感じいいんですよ。

すべて失ってさっぱりしたデクスターはエマが本当に大事な存在であることを隠さない態度で、彼としてはようやくすっきりしてエマを迎えられる状態なんです。

エマは恋人に会いに行くと言って、一度はデクスターを置いて外出するものの、彼の元に戻ってきます。

エマも、やっとお互いが結ばれるタイミングになったということに気づいたのでしょう。

20年たって、ようやく二人は恋人として付き合えるようになりました。

ここは感動するのだけど、すごく盛り上がるというよりむしろ淡々としていて静かながら「よかったね」と見ていて安心しました。

 

それから時が経ち、二人は結婚し幸せな日々を送りますが、子供ができません。

そのことで二人は喧嘩してしまいます。エマは外出し、冒頭の泳いでいるシーンになります。

外出先からデクスターに電話で謝り、会う約束をしてエマは自転車で彼のもとに向かいます。

それなのに、交通事故で亡くなってしまうのです。

全く予想していなかったので、かなりビックリな展開です。

これまでの長い何月で築き上げてきた二人の関係を思うと泣けてきます。

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仕事がうまくいかなかった時のように荒れてしまうデクスター。

やっと手に入れた幸せだったのに、急になくなってしまったのです。

落ち込むデクスターに父親が言います。

「エマが生きていた時のように生きなさい」

デクスターの両親はとても仲が良かったのですが、10年前に母親は亡くなっていました。

「できない」と言うデクスターに父親は「私は10年やってきた」と言い、父親も大変な状況を乗り切ったのだと知りハッとします。

変に奮い立たせようとしたり熱く語ったりせず、静かにそう語る姿に泣かされました。

 

立ち直り、自分のレストランを持ち明るく過ごせるようになった頃、以前エマと付き合っていたイアンが自分の家族を連れてやってきます。

このシーンもぐっときます。

イアンは自分がデクスターに嫉妬していたことを告白します。なぜなら、自分ではエマを幸せにできなかったから。自分ではダメだった、と。

「彼女が君をまともにした。そのお返しに君が彼女を幸せにした。とても幸せに」と言います。「君には永遠に感謝する」と。

イアンが本当にエマを愛していたことが伝わってきます。

連絡を取り合おう、というデクスターにイアンは「もう必要ない。これでおしまいだ」と言い、自分もデクスターも未来を見るべきだということを示唆します。

二人とも、過去のつらい思いを乗り越えたことがわかって胸を打たれます。

会話が終わるとイアンは家族の元にいき、その姿は本当に幸せそうです。

イアンはエマのことで悩んだり苦しんだりしながらもそれを乗り越えて、デクスターに感謝できるようになり、今の幸せがあるんですね。

それからの7月15日

デクスターは、卒業式の翌日にエマと来た丘に、7月15日に娘とやってきます。

ママとパパは親友だった、という話をすると娘は、自分の親友はママだと言います。

「パパも悪くないぞ」というデクスターに「パパはパパよ」と答える娘。素敵な会話だなぁ。

 

卒業式翌日の回想で、デクスターとエマは実は想い合って関係を持とうとしていたことがわかります。

でも、タイミングが合いませんでした。それでも、二人の気持ちは同じでキスをします。

笑顔で別れる二人のシーンで映画が終わります。二人の笑顔はとても爽やかで明るい別れなのだけど、結末を知ってから見るとなんとも切ないです。

 

エマが死んでしまうという結末には賛否両論のようですが、死んだことによってデクスターやイアンの想いの深さがわかったり、デクスターの父親が伴侶を亡くしてからの気持ちを伝える場面が生まれたのだと思います。

個人的には恋愛映画の名作だと思うし、恋愛だけでなく、男女の友人関係も、すんなりとはいかない人生も盛り込まれて本当にいい映画だな、と思います。

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