2重螺旋の恋人のネタバレと解説・考察!結末と感想も

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映画『2重螺旋の恋人』を見ました!
見ているうちに何が現実でどこが妄想なのか混乱してしまいますね。
そんな『2重螺旋の恋人』の解説や考察を結末までネタバレありで書いています。
映画未視聴の方はご注意下さいね。

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『2重螺旋の恋人』の作品情報

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【原題】L’amant double
【劇場公開日】2018年8月4日
【製作年】2017年
【製作国】フランス
【配給】キノフィルムズ
【監督】フランソワ・オゾン
【キャスト】マリーヌ・バクト、ジェレミー・レニエ、ジャクリーン・ビセット、ミリアム・ボワイエ、他

『2重螺旋の恋人』のあらすじ・ネタバレ

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クロエは原因不明の腹痛に悩まされていました。
婦人科では精神的なことに原因があるのでは、とカウンセラーを紹介され通院を始めました。

カウンセラーのポールはあまり語らず患者に自分のことを語らせるスタイルでした。

クロエは、これまでモデルの仕事をしていたけれど今は求職中であること、本気の恋愛をしたことがないこと、自分は一夜の過ちで生まれた存在であり望まれた子供ではなかったことなどを語りました。
想像上の姉をイマジナリーフレンドのようにしていたことも。

クロエの体調はよくなり、カウンセリングは終了となりますがポールと惹かれ合い交際を始めます。

仕事も決まり美術館の監視員として働き始めました。

ポールと暮らし始めたクロエは、ポールの荷物の中からパスポートを見つけ、現在名乗っている名前と違う名前があることを知ります。

ポールは父が仕事の不正で捕まり、その影響で今は母方の姓を名乗っていると言います。

クロエはある時、診療をしているはずのポールが女性といるところを見かけます。
後日、その時ポールがいた場所に行くと、ルイという男性のカウンセリング・クリニックであることがわかりました。

クロエは予約を入れ、ルイのカウンセリングを受けます。
ルイはポールの双子の兄だと言います。

ポールにはルイのカウンセリングを受けていることは伏せて、通院を始めます。
ルイは穏やかなポールと違って高圧的で傲慢です。

クロエはポールと対象的なルイに惹かれ関係を持ちます。

ポールにプロポーズされたクロエですが、妊娠したことに気づきます。

ルイはクロエがポールと交際していることに気づいていましたが、「自分たちは双子だから遺伝子は同じ。どちらの子かはわからない」と言います。

クロエがポールと結婚すると言うとルイは殴りかかってきました。

ルイはクロエにサンドラという女性の存在を教え、クロエはその女性の同級生のフリをして自宅を訪ねます。

サンドラの母親は、サンドラはポールの恋人だったけれどルイに酒を飲まされた上レイプされ自殺未遂をしたと話します。

サンドラは今もショック状態のまま寝たきりで過ごしていました。

サンドラの母はクロエに向かって、娘は被害者だけどあなたは双子との関係を楽しんでいるのね、と罵倒します。

ポールに問うと、サンドラはポールとルイに二股をかけていて自殺未遂はその結果だと言いました。

クロエはルイに追われ、猫好きの隣人ローズの家に泊まらせてもらいます。
ローズの家には、20歳から心を病んで施設にいるという娘の部屋があり、そこで眠ります。

ルイとの関係を断ち切ろうと、ポールが所有していた銃を持ってルイのクリニックを訪れます。
なぜかそこにはポールもいて二人はクロエを責めます。

クロエはルイに向かって発泡します。
すると自分のお腹が裂けて小さな手が出てきます。

クロエは病院に搬送されます。
妊娠していたのではなく、クロエが母の胎内にいた時に双子として存在していた姉がクロエの体内に取り込まれ畸形嚢腫として摘出されたのでした。

それが腹痛として現れ、精神にも影響していたようです。

病院にポールとわだかまりがあった母が訪れます。
母親はクロエの力になると言い、抱擁を交わします。

クロエはポールと帰宅し、愛し合っているともう一人の自分が窓に写り、叩いて割るとガラスが飛び散りエンディングとなります。

現実か妄想か!?

フランソワ・オゾン監督独特の表現で現実と妄想を織り交ぜて主人公の心理を描いています。
『スイミングプール』なんかもそうですが、だんだんわけが分からなくなりそうでした^^;
以下私の解釈ですが、キーとなる人物について考察を書いています。

ポール

クロエの恋人で、一緒にいて安心できる存在。

同時に物足りなさも感じているのかポールの前では不感症。

ポールは実在する人物として描かれています。
クロエの母親も信頼しています。

ルイ

ポールの双子の兄という設定だけれど、クロエの妄想。

ポールにない荒々しさや率直さを持ち合わせている。

クロエには「もっと自分を求めて欲しい、穏やかなだけじゃなくて強く迫ってくる存在が欲しい」というの願望があったのかもしれません。
それを満たしてくれるのがルイなのでしょう。

ポールが猫が嫌いなのに対し、ルイは猫が好き。
しかも、飼っているのはミケの 。

「珍しい。貴重」というのはクロエにとってのルイを表しているのかもしれません。

クロエに「双子は優勢なほうが胎内にいる時に劣勢なもう一人を食べてしまうことがある」という「共食い双子」の話をするのもルイです。

後に、クロエ自身が胎内にいる時に生まれるはずだった双子の姉を体内に取り込んでしまったことがあります。

それはクロエのせいではないのですが、クロエには罪悪感があります。

その罪悪感がルイという存在を生んだともいえます。

猫好きの隣人ローズ

ローズもまた不思議な存在です。

ポールが猫嫌いなことからクロエは飼っている猫をローズに預かってもらうことがあります。

ローズには娘がいますが、施設に入っています。
娘の部屋には飼っていた猫の剥製が何体もあります。

彼女も喪失感を抱えて生きているのです。
ローズの存在はストーリー上重要ではありませんが、常に「欠けた何か」を抱えている者として映画のトーンを色づけています。

ローズは特に妄想である必要はないので、実在する人物なのだと思います。

サンドラ

サンドラは一番といっていいくらい本作の重要な人物です。

人物とはいっても、この世に生まれてはこなかったのですが。

クロエが胎内にいた時に取り込んでしまった双子の姉。
「サンドラ」という名前はクロエが勝手につけました。

そう名付けてしまうくらい、クロエにとっては大きな存在なのです。

「共食い双子」という強烈な名称をルイが言うのは、クロエが自分がサンドラを食べたという罪悪感の表れですね。

クロエの母親

映画の終盤、倒れたクロエのいる病院に駆けつけたのはサンドラの母親。

「あれ?」ってなりますよね^^;
しかも、ポールと一緒ですから。

サンドラは、クロエの双子になるはずだった姉。
だから、サンドラの母は自分の母親なのです。

妄想では、サンドラを彼女の母親は大切に思っているようでした。
レイプされ自殺未遂に至ったということも、その後寝たきりになっていることも可哀相だと思っていることがわかります。

でも、クロエに対しては冷たい目を向け
「あなたは双子との関係を楽しんだ」と非難します。

現実ではクロエは望まれた子ではなかったため、そのように母に憎しみを向けられる妄想をしたのでしょう。

妄想の原因は?

結局のところ、妄想の原因、クロエの病んでしまった原因はなんだったのでしょう。
いくつか原因と思われるものがあります。

クロエの罪悪感

クロエが病院で手術後に語った「私は姉を食べた」という罪悪感が一連の妄想を生んだと考えられます。

ポールが「君のせいじゃない。腫瘍と同じだ」と言いますが、クロエは「姉だったの」といいます。

クロエは一人の人間として認識し「自分が彼女の人生を奪ってしまった」という罪悪感があったのでしょう。

その罪悪感のために病んで妄想を引き起こしたのかもしれません。

母との愛憎

自分の母親と妄想上でも対峙したように、母親との関係はクロエにとって大きな問題でした。

「母親に愛されなかった」ということがクロエの心に巣食っていて、その原因は自分が姉の人生を奪ってしまったからではないか、と思ったのかもしれません。

なぜ愛されないのか、の理由付けとしてそう考えても不思議ではありません。

妄想上で母親に非難されたのも「姉は生きられなかったけれど、あなたは楽しんでいる」というふうにも受け取れます。

サンドラの恨み

これはかなりホラーな展開です。

人間として生まれてこられなかった姉サンドラの恨みが、クロエに妄想を見せて意思を伝えたのかもしれません。

本当は自分も生まれてきたかったけれど、クロエに吸収されてしまったために生きられなかった。
その恨みを寄生してクロエに妄想として体験させたとも考えられます。

ラスト、クロエがガラスを割ってエンディングとなります。
これは「クロエが自分の殻を割った。新たな人生の幕開け」とも取れます。

ですがもし「サンドラが恨んでいて妄想を見せていた」という説に倣えば
「サンドラがクロエを壊し成り代わった」というヴィジョンだとも受け取れます。

個人的には「クロエの新しい人生」が始まったと思いたいのですが、どうなのでしょう。

再見したらまた新たな発見がありそうです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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