映画『バニラ・スカイ』は『オープン・ユア・アイズ』のリメイクですが、タイトルのイメージが違いますね。
映画に登場する「空」についても考察していきます!
内容上ネタバレになりますので、映画をまだ見ていない方はご注意下さいね。
『バニラ・スカイ』の作品情報
【原題】Vanilla Sky
【劇場公開日】2001年12月22日
【製作年】2001年
【製作国】アメリカ
【配給】UIP映画
【監督】キャメロン・クロウ
【キャスト】トム・クルーズ、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、カート・ラッセル、ジェイソン・リー
あらすじ
ニューヨークの大手出版社の株主デビッドは、富と美貌を享受するプレイボーイ。しかし、交通事故で醜い顔になり、生活が激変。しかも彼の周囲で、奇妙な出来事が起こり始める。
引用元:映画.com
タイトル『バニラ・スカイ』の意味
その時は「キャンバスに広がるバニラ色の空」と説明するだけに留めます。
ただそれだけしか絵については触れないのですが、この時「バニラ」という言葉をわざわざ使っていることが後に活きてきます。
実は映画を象徴している言葉なのです。
映画の後半はデビッドの夢の世界になるわけですが、そこは彼にとって「理想の世界」になるはずでした。
終盤に救護員が説明するシーンがあります。
ところが「故障」が起こり夢は悪夢に変わりました。
その故障がなければ、手術がうまくいき、ソフィアと幸せに暮らしたのでしょう。
その理想の世界を「バニラ・スカイ」という言葉で表していたのでしょうね。
「バニラ・スカイ」という空
映画の内容から少し離れますが、単に言葉として「バニラ・スカイ」とは何を意味するのか、と考えました。
「バニラ」とは「まっさらな状態」「生まれたて」という意味があるそうです。
アイスのバニラ・フレーバーは色々な味の中でも一番プレーンというかシンプルですよね。
「まだ手垢のついていない」感じは確かにうなずけます。
映画に戻ると、ラストにデビッドがいるビルの屋上の空はとても印象的です。
朝焼けとも夕焼けともとれる幻想的な空は美しく、あの空がバニラ・スカイなのでしょう。
空は青空が残っているけれど紫がかっていて、雲の縁がオレンジに染まっているなんとも表現しがたい景色です。
監督はきっとこの空をこだわって作ったのだろうな、と思います。
まさに絵のような、現実にはないような不思議な空ですね。
150年後の世界で一からやり直そうと決めたデビッドの「まっさらな」気持ちも表しているのかもしれません。
そう考えると色んな意味を含んだタイトルなんですね。
画像が多くてすみません^^;
カットによって空の見え方が違っていてとてもきれいなので、紹介させていただきました。
まとめ
・タイトルの『バニラ・スカイ』はモネの絵に象徴される「理想の世界」を表している。
・「バニラ・スカイ」は「まっさらな状態」という意味もある。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!