映画『ビューティフルボーイ』を見ました!
本作のネタバレと感想、海外の評価について書いています。
目次
『ビューティフル・ボーイ』の作品情報
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【原題】Beautiful Boy
【製作年】2018年
【製作国】アメリカ
【配給】ファントム・フィルム
【監督】フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
『ビューティフル・ボーイ』のあらすじ
薬物中毒の息子ニックを見守る父親デビッドの目を通して中毒状態のニック、それから回復に向かう様子を描きます。
『ビューティフル・ボーイ』のネタバレ
デビッド・シェフがカウンセラーの元を訪れ、息子の薬物依存について相談するところから映画は始まります。
その一年前、デビッドの息子ニックは2日間連絡もなく家を空け、デビッドは心配し病院や前妻のヴィッキーに電話していました。
デビッドは画家のカレンと再婚し、ジャスパー、デイジーの一男一女に恵まれ幸せな家庭を築いていました。
そんな中、ヴィッキーとの間の子供ニックはドラッグに溺れていました。
ニックは無事帰ってきましたが、デビッドは構成施設に入れることを決意します。
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施設で生活するニックでしたが、ある時自由時間に外出すると戻ってきません。
報告を受けたデビッドが町中を探し、大雨の中ボロボロな状態のニックを発見します。
そんなことが何度もありました。
デビッドは元気で快活だったニックを時折思い出します。
成績優秀で6つの大学に合格し、スポーツもできました。
一緒にサーフィンしたり、音楽をガンガン流してドライブしたり。
2人でカフェに行ったこともありました。
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デビッドはそのカフェでニックを待っていました。
入ってきたのは感情が乱れ乱暴な態度のニックです。
ゆっくり話をしたいと思っていたデビッドに対しニックは「シラフだ」といいながらお金を無心します。
会話は噛み合わず、心が通わないままニックはイライラと去ってしまいます。
しばらく経ち、ニューヨークの病院から連絡がきました。
ニックが過剰摂取で運ばれたのです。
デビッドは飛行機にのって駆けつけますが、ニックは病院から抜け出した後でした。
それでもやっとニックと再会しホテルで落ち着きます。
疲れ切って寝ているニックに、デビッドはジョン・レノンの「ビューティフル・ボーイ」を歌います。
ニックが幼い頃よく歌ってあげていた歌です。
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その後、実の母親であるヴィッキーのいるロサンゼルスで厚生施設に入り、やがて母の元で暮らし厚生施設で依存症の人たちを助ける立場にまでなります。
久しぶりにサンフランシスコのデビッドの元を訪れ、弟や妹たちと水遊びを楽しみ、海に行き幸せな時間を過ごします。
しかしその帰り道、幸福を感じた反動のようにニックは落ち込み支援者に電話するものの自分を抑えられなくなります。
夜の繁華街に行ったニックは、大学時代の同級生ローレンに再会します。
その夜2人はドラッグに手を出します。
再度ドラッグに染まり、デビッドの家に盗みに入るまでになります。
デビッドとカレンに見つかり、追いかけてくるカレンを振り切りますがその夜にはまたドラッグに溺れます。
一緒にいたローレンは過剰摂取で心肺停止に陥ります。
ニックは必死に心臓マッサージを繰り返しどうにか一命はとりとめましたが病院に運ばれます。
ニックは心身ともに限界になり、デビッドに電話して「家に帰りたい。助けて」といいますが、デビッドも疲れ切っていました。
「力になりたいが私にはできない。自分でやり直すんだ」と言い突き放します。
ヴィッキーもまた悩んでいました。
デビッドもヴィッキーも、ニックを助けようとしては失敗していました。
彼らは電話で泣きながら互いの心を打ち明けました。
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そしてニックはドラッグを断ち切れず、再度病院に運ばれます。
ヴィッキーが待つ病院に駆けつけたデビッドは、こんなにドラッグを摂取して命があるのは不思議なくらいだ、と言われます。
そのくらいニックの体はドラッグに蝕まれていました。
意識を取り戻して涙にくれるニックをデビッドは優しく引き寄せます。
『ビューティフル・ボーイ』を見た感想
「薬物依存」「親子の愛」をテーマにした映画ですが、どちらも複雑で難しいんだなぁ、と思いました。
子供がいる方ならきっと涙なしに見られないと思います。
私も散々泣いてしまいました。
子供の立場で親子関係に悩んでいる人も、見てみるといいかもしれません。
親って、子供につらく当たることがあっても絶対愛情があるんですよね(まともな人なら絶対そう!)。
そういうことが感じられると思います。
見どころ・感動した場面
子供への愛
ニックの父親デビッドは、何度も子供の頃可愛かったニックとの思い出を振り返ります。
そのシーンすべてが本当に愛情に満ちていて素晴らしいです。
楽しかった時もあれば、離婚でニックにつらい思いをさせてしまうことも。
ニックが更生施設に入る時や他でも別れる時にハグをして「Everything(すべて)」と互いに言うシーンが度々あります。
それは、ニックが子供の頃飛行機で母親の元に向かう時「すべてを超えて愛してるよ」と伝えることが元になっています。
以来、2人は別れる時さよならの代わりに「Everything」と言います。
この言葉が親子の愛情を感じさせてくれます。
母親の強さ
ニックの母親ヴィッキーとデビッドが、ニックに何度も裏切られ支援に失敗したと感じ電話で話すシーンがあります。
ヴィッキーは
「失敗を恥じているのね。
私も失敗した。
でも、諦めたくない」
その言葉がすごく胸に刺さりました。
何度裏切られても「諦めたくない」といえるのはニックを愛しているから。
母の強さと愛を感じられる場面です。
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また、ニックとは関係ない人物ですが、やはり印象的な言葉がありました。
デビッドと現在の妻カレンが薬物依存のミーティングに出席した時のこと。
薬物で子供を亡くした母親がスピーチをしました。
「先日娘を亡くしました。
今喪中ですが、私はもう何年も喪に服しているのです。
中毒だった娘は生きている時から、死んだ状態でした。
生きている娘の喪に服すのはつらい。
そういう意味では今のほうが楽かもしれません」
娘が亡くなったのに「今のほうが楽」という言葉が重く胸に響きました。
それだけ、何もできず無力感を感じていたのでしょうね。
薬物依存の家族と向き合うことの難しさ、つらさを感じる場面でした。
結局もってくティモシー・シャラメ
「ティモシー・シャラメ主演」と思って見に行きましたが親目線で描かれています。
なので、見た印象は「スティーブ・カレル主演」です。
でも、やはり印象に残るのはティモシー・シャラメ。
薬物に溺れ、苦しむ姿をすごく繊細に演じています。
終盤、公衆トイレで薬物を打つシーンがありますが、汚いはずのトイレが美しく見えるから不思議。
きれいに光が差し込んで澄んだブルーのトイレがきれいに見えちゃうんですよ。
これぞティモシー効果。
いや、ドラッグを扱う映画なのに不謹慎な言い方ですけどね、悶え苦しむティモシー・シャラメってほんとこういうシーンが似合うなぁ、なんて思ったり。
ファン必見です。
ラスト・結末について
それまで何度も過剰摂取で病院に運ばれていたニックですが、最後はトイレで薬物を摂取しガクガクと震えながら倒れてしまい、やはり病院に運ばれます。
駆けつけたデビッドが、目を覚ましたニックの肩を引き寄せるシーンで結びとなります。
映画ではその後のニックについて字幕で説明されます。
家族の献身によって現在のニックは薬物から離れて8年経ち、脚本家として活躍している、と。
ちょっとだけ残念に思ったのは、8年も薬物を経ち脚本家として活動しているならハッピーエンドとして描いてよかったのでは、ということです。
どうせなら泣いているニックの姿で終わるのではなく、立ち直って脚本家としてスタートを切ったシーンまで描いてもよかったのでは、と思いました。
ただ、これは個人的な感想なので「あのラストでよかった」と思う方も多いのかもしれません。
ちなみに、もしまだ本作を見ていない方がこの記事を読んでいたら、ぜひクレジットが流れ終わる最後まで席をたたないでくださいね。
ラストシーンは上記書いたとおりですが、最後にティモシー・シャラメの詩の朗読があります(^^)
『ビューティフル・ボーイ』海外の評価
私が映画を見たのは公開の翌週でした。
レディースデイということで女性が多く見に来ているかなぁと思ったのですが、平日の昼間ということもあり観客は少なかったです。
それに、公開から一週間後の金曜からの上映スケジュールを見ると夕方の1回のみ。
(あくまで私が行く映画館で、ですが)
うーん、あまり評価高くないのかなぁ、と気になり海外での評価を見てみました。
おなじみRotten Tomatoesですが、悪くないですね!
それも批評家より観客の支持率が高い!
日本でそう大きなヒットにならないのは、やはり薬物依存がアメリカほど深刻ではなからでしょうか。
もちろん、覚せい剤や違法ドラッグが問題なのは日本でも同じですが、日本ではそこまで蔓延してないですからね。
劇中、アメリカでは更生施設がたくさんあることもわかりちょっと驚きました。
テーマが重く多くの映画館で上映はされませんが、興味を持った方はぜひ見に行ってほしいです。
『ビューティフル・ボーイ』の原作
ニックの父親、デビッド・シェフが書いた本です。
フリーのライターなんですよね。
劇中でも出版社の会議らしき場所にいるシーンがありましたね。
気になる方はぜひ手にとってみてはいかがでしょう。
原作についてはこちら↓
ビューティフル・ボーイ (マグノリアブックス)
>>ビューティフルボーイのフル動画を無料で視聴する方法!パンドラやデイリーモーションは危険?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!