映画ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツの感想とネタバレを結末まで!

映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』を見ました!

感想をネタバレを含んで結末までお伝えします!

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『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の作品情報

【原題】
The Founder

【公開】

2017年7月29日(土)

【監督】

ジョン・リー・ハンコック

【キャスト】
マイケル・キートン、ニック・オファーマン、ジョン・キャロル・リンチ、リンダ・カーデリニ、パトリック・ウィルソン、B・J・ノバク、ローラ・ダーン

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』のネタバレ

1954年、アメリカ。
レイ・クロックはシェイクミキサーを売る営業マンとしてあちこちを回っていました。
あまり売れ行きはよくないようで、一台売るのも大変そうな、うだつの上がらないセールスマンといった感じです。

ところが、8台の注文が入るのです。
一台売るのにも苦労しているというのに。

興味を持って注文をしてきたハンバーガーショップに行くと長蛇の列です。
当時のハンバーガーショップはドライブイン形式だと、車で待っていてローラースケートを履いたウェイトレスが注文を取りに来てまた商品を持ってきてくれる、というものでした。
待たされるのが当たり前で、注文のミスもよくありました。

ところが、このハンバーガーショップではローラースケートのウェイトレスはいない代わりにみんなが笑顔で列に並んでいます。
長蛇の列にもかかわらず、そう待たずに済むのは、注文してから数十秒で商品が出てくるからです。

食べ物はお皿に乗っているのではなく、紙に包まれ、飲み物は紙コップ。
食べ終えたら捨てて帰ればいいので清潔です。


ハンバーガーを注文したレイ・クロックは、商品を渡された時に、注文してからあまりに早かったのでまさか注文したハンバーガーだとは思わずに「これは何?」と聞いていました。
そのくらいの衝撃だったのです。

そのハンバーガーショップがマクドナルドでした。
マクドナルドというのは経営していた兄弟の名前です。

レイ・クロックは兄弟に頼んで店のシステムを見学させてもらいました。
兄弟は徹底的に無駄をなくし効率を計り、しかも味やサービスは高品質というこだわりがありました。

レイ・クロックは兄弟の作ったシステムに惚れ込み、フランチャイズを提案します。
兄弟は始め渋っていましたが、アイデアマンだけれど頑固な弟を柔軟に考えられる兄がなだめる形で契約をします。

レイ・クロックにはカリスマ性があり、マクドナルドの素晴らしさを各地で語り、次々とフランチャイズのオーナーを獲得するとどんどん店舗を増やしました。
しかし、必死で店舗展開をしてオーナーからは感謝されるものの、レイに入る収入はわずかです。
店舗が増えるほど赤字になっていきました。

マクドナルド兄弟に初めの契約を見直すよう交渉しても聞く耳をもってもらえません。
家庭でも、古風な考えの妻レセルと溝がうまれていました。
レセルは借金をしてまでビジネスに入れ込むレイの気持ちがわかりませんでした。
それより、もっと落ち着いた生活をして欲しいのです。二人で過ごす時間もありません。

銀行に融資を頼んでも断られ窮地に追い込まれるレイはあるビジネスマンにアドバイスをもらいます。
それは「自分で土地を買い、自身のマクドナルドの店舗を持ち、レイが経営権を握る方法に切り替える」というものでした。
自分が経営する店を作るために会社も設立し、全米に店舗を拡大させるのに成功します。

しかし、レイの成功するほどマクドナルド兄弟との対立は深まっていきます。
ある時、マクドナルドのフランチャイズオーナーの一人ロリーと話している時、ロリーの妻がいい商品を見つけたといいます。
InstaMixという粉末を水に溶かして混ぜるとミルクシェイクができるのです。

売れなかった自分のミルクシェイクマシーンを活用できるし、簡単に作れるという画期的な商品です。
ところが、マクドナルド兄弟はミルクの入っていないミルクシェイクに納得しません。

これまで温和だった兄弟の兄マックが怒ってレイとの電話で怒鳴りつけるとそのまま倒れてしまいました。
結局、初めにレイが兄弟と結んだ契約を破棄することになります。

破棄の条件

 

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270万ドルを支払う

この大金を、現金で払うように要求しました。
現在でも大金ですが、50年代のアメリカではどれだけ莫大な金額だったことでしょう。
それでもレイはこの条件を受け入れました。

会社の利益の1%を払い続ける

この条件は書面に記さず、握手をして契約したフリをしたそうです。
実際には支払われることはなかったそうです。

マクドナルド兄弟のものである一号店の権利はそのまま兄弟が保有する

この条件は要求通りとなりました。
しかし、レイは兄弟の店の向かいに店舗を建てました。
兄弟の店は数年のうちに潰れてしまいました。

 

契約破棄の後、弟のディックがレイに「なぜマクドナルドという名前を使い続けるんだ」と聞きます。

マクドナルドっていう響きがいいんだよ。これぞアメリカ、といういい響きだ」と言います。

 

レイは妻レセルとは別れ、ロリーの妻だったジョアンと結婚します。
ジョアンとは死ぬまで添い遂げたそうです。

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『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の感想

 

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この映画、全体の流れとしてはレイ・クロックがマクドナルド兄弟と契約を結んで全米に店舗展開したものの、兄弟を裏切り、すべてを取り上げたような感じになっています。
でも、映画の描き方としてはレイを悪いヤツとも、大企業を作ったヒーローとも決めないような中立的な描き方をしています。

とはいえ、主人公はレイなのでレイ寄りの話であることは間違いありません。
映画を見た人の感想を読むと「レイが兄弟を裏切った」「レイは悪いヤツ」「長年連れ添った奥さんを捨てて人の妻を奪い取った」「欲しいものを手に入れるためには手段を選ばない怪物」という意見が多く見られました。

人によって意見はそれぞれだし、それはそれでいいのですが、私は「レイだけが悪いの?」と思いました。
だって、もし兄弟がレイを初めにもっと受け入れていたらこんなことにはならなかったと思うのです。

兄弟の弟ディックはアイデアマンで頑固者、こだわりが強い。
兄のマックは柔軟な考え方ができて温和な性格。
そしてパワフルで自分の信念を突き通し、革新的なレイ。

この3人が組んだらドリームチームが出来上がると思いませんか?
ビジネスをする上でパーフェクトな組み合わせに思えます。
それなのに、なんとも悲しい結果になってしまった…。

その原因の一つは、初めに兄弟がレイを信じなかったこと。
そして、レイが店舗展開に成功し、兄弟に利益をもたらしていったのに、レイ自身は赤字となり兄弟に契約を見直しを交渉した時は耳を貸さなかった。
自分たちを儲けさせている相手に対し、ひどい仕打ちです。
もし、兄弟がレイの能力を認めて、3人でチームを組んでいたらみんなが笑顔になれる結果になったと思います。

レイはミルクシェイクの粉末剤を提案しましたが、元はレイだって質を追求していました。
オーナーの一人が、店は汚したまま、ハンバーガーに混ぜものをしたり、萎びたレタスを使っていたりすると、ゴルフ場で遊んでいるオーナーのところまで押しかけて文句を言っていたくらいです。

もし、3人がうまくいっていたら、インスタントの粉末剤を反対されたら話し合いに応じていたかもしれません。
まぁ、タラレバを語っても仕方がないのですが、映画を見ながらそんなことを思いました。

 

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それから、どうしても好感が持てなかった人物がいました。
レイ・クロックの元奥さんレセル!

「レイに捨てられた」と悲劇のヒロインのように捉える人もいるでしょう。
でも、レセルはずっとレイのことを信じませんでした。

たしかに、借金をしたり家に居着かず仕事ばかりしているのはレセルが望むところではなかったでしょう。
50年代のアメリカだし、女性は家を守るみたいな古風なところがあっただろうし、そういう生き方をしてきたのだと思います。

けれど、フランチャイズのオーナーの奥さんたちは違いました。
旦那さんと一緒に店に立ち、オープン時にお客さんにアメを配ったりする人もいれば、後にレイと結婚するジョアンは営業後も店に残り仕事をしていました。
彼女たちが旦那さんを応援して店を成功させようという姿は本当に素敵でした。

一方レセルは家にいるだけで帰ってくるレイに苦虫を潰したような顔で迎えます。
笑顔なのはレイがうまくいった時だけ。
それじゃ捨てられても仕方ないんじゃない?と思ってしまいます。

だからといって、レイが人の奥さんを奪ったのはどうかと思います。
しかも、お互い信頼のあった店のオーナーの奥さんだったのに(-_-;)

でも、確かにジョアンは魅力的です。夫と一緒に店に立つだけではなく、自分がいいと思った商品InstaMixをレイに提案したり、と仕事に積極的なのです。
しかも美人!
どんどん道を切り開いていくレイにとって理想的なパートナーだったと思います。

レイのやり方にすべて賛成なわけではないけれど、それでもビジネスに対するエネルギッシュな姿勢には刺激をもらいました!
レイを演じたマイケル・キートンが本当に素晴らしかった!

私のイメージのマイケル・キートンはバットマンだのビートルジュースだの個性的な役ばかりでしたが、本作のレイ・クロックもまたアクの強い役です。
年齢は隠せませんが目が爛々としていて、野心に燃えるレイ・クロックにハマってました。

ラスト、ネタバレのところにも書いた「なぜマクドナルドという名前にこだわるんだ」という質問に対する「マクドナルドという響きがいい」というレイのセリフは印象的でした。

それは私も疑問でした。いっそのこと、自分で会社を起こした時に別の名前でシステムだけ盗んで(それがいいかどうかはともかく)別のチェーンとして店舗を作ることだって可能だったと思います。

レイは兄弟から一号店さえ奪ったけれど、マクドナルドという店は本当に愛していたと思います。

レイのやり方でマクドナルドという名前はどうしても残したかったのだと思うのです。

兄弟とは対立してしまったけれど、二人が築き上げた店に対する愛情表現だったのではないかと思います。

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まとめ

・映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』はマクドナルドの創業者とされるレイ・クロックがどのようにしてのし上がってきたかを描いた物語。
・レイのやり方に賛否両論ではあっても、映画としてはオススメ!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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2 COMMENTS

象が転んだ

 レイクロックの生き様は実に見事ですね。彼の半生が複雑過ぎたから、ビジネスモデルくらいはシンプルに効率よくという本能が働いたんでしょうか。

 アメリカには、シンプルイズベストという格言がありますが、全くこれを地で行った様な激動のサクセスストーリーですね。実際には映画以上にドロドロとしたものだったんでしょうが。でも、成功するビジネスモデルって、デザインも作業も思考も、実にシンプルで美しいものですね。

 ドライブイン、セルフサービス、待ち時間短縮、不動産売買によるフランチャイズ化。全てが20世紀の最先端を行くものですね。
 とてもわかり易いネタバレで、助かります。

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elin

象が転んだ 様

コメントいただき、ありがとうございます!

そうですね、本当のファウンダー、マクドナルド兄弟とは色々あったと思います。
きっと映画では描ききれないほど…
この映画、マクドナルド認定のものではありませんしね^^;

おっしゃるように、どこまでもシンプルに効率を求めた結果の成功だったと思います。
分かり易いと書いていただき、とてもうれしいです(^^)

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