映画町田くんの世界のラストの意味は?結末はひどいのか考察と感想

映画『町田くんの世界』を見ました!

私は原作を読んでいないので、原作とどのくらい違うのか知らない上で書いています。

ラスト・結末の展開に「ひどい」という感想もあり賛否両論のようです。

私なりのラストの意味を考察し感想を書いています。

ネタバレを含みますので、映画を見視聴の方はご注意下さいね。

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映画『町田くんの世界』のラスト

まずは『町田くんの世界』のラスト・結末をおさらいしますね。

気持ちに気づいた町田くん

人の幸せをいつも優先させてきた町田くんは「人が好き」を公言していますが恋愛での「好き」がわかっていませんでした。

ようやく自分が猪原を好きだということに気づいた町田くんは彼女が住むマンションに向かいますが、それまでに散々な思いをしてきた猪原に冷たく別れを告げられてしまいます。

猪原はロンドンに留学する予定ですが仲直りができないままです。

学校では猪原のロンドン行きを知った生徒たちが町田くんを応援します。

これまで町田くんに助けられた人たち皆に助けられ、町田くんは猪原を追いかけます。

しかし、猪原は空港に向かう電車の中。

それなのに町田くんはまたお人よしで、木に引っ掛かった風船を取ってあげようとします。

吉高が書く『町田くんの世界』

電車の中では記者の吉高が『町田くんの世界』というタイトルのボツ記事を猪原に読ませていました。

その時、風船で飛んでいく町田くんが窓の外に見えました。

気づいた猪原と吉高が電車を降りて追いかけます。

ビルの屋上で町田くんに抱き着いた猪原ですが、そのまま飛んでいってしまいます。

水鳥が来て風船を突いてしまい、二人は学校のプールに落下します。

ようやく自分の気持ちを伝えられた町田くんは、猪原の元へと泳いでいきエンディングとなります。

『町田くんの世界』の結末はひどいのか

こういう感想が多く見られました。

漫画原作の映画なので、どうしても原作ファンからの酷評というのはどの作品に対しても一定数ありますよね。

でも、『町田くんの世界』に関しては原作との違いに関する批評の他、ラストの風船シーンに関する酷評も多いです。

確かに、それまで「高校生の恋愛」を描いていたのに突然ファンタジーになっちゃった!という感想があるのはわかる気がします。

でも、わりとラストに向けて伏線があったりして私はそこまで唐突とは思わずに楽しめました。

ただ、ラストがよくわからなかったという方がいても不思議ではないので私なりの考察を書きますね。

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『町田くんの世界』のラストの意味を考察

なんで町田くんは飛んだのか。

突然の展開に驚きますよね。

でも、それまでに描いてきたものを思い返せば自分なりの解釈ができるのではないでしょうか。

伏線となる水鳥や赤ちゃんの存在

例えば、水鳥が何度か出てきましたがいつも水面にいました。

丁寧に水の中にぼちゃんとカメラが沈んで写しています。

町田くんがまだ恋愛を知る前の状態が水面の水鳥なのかな、と思います。

それにお母さんのお腹にいる赤ちゃん。

赤ちゃんは無垢ですよね。

世の中に出る前のピュアな状態は、まっすぐな町田くんのようです。

お母さんの陣痛が始まりパニックな町田くんは

「新しい町田が産まれる!」と言っていました。

これは町田くん自身が恋愛を知り大人になっていくことを表しているのではないかと。

風船で飛んだのは「町田くんの世界」での奇跡

そして、風船のシーンです。

吉高が『町田くんの世界』というボツ記事を猪原に読ませた後でした。

 

二人は「町田くんの世界」を知っている人たちなんですよね。

風船で飛ぶ町田くんを見つけた二人は大騒ぎしますが、電車内の人たちはスマホに夢中で誰も気づきません

つまり風船で飛んでいるのは「町田くんの世界」だけのことではないかと。

 

その世界の住人である猪原だからきっと一緒に飛べたのでしょう。

飛んでいるのは恋を知った「新しい町田」なんですよね。

「飛ぶ」というのは「浮かれる」ような気持ち「恋愛」を表しているようにも思えました。

でも、もう大丈夫だよという時にあの水鳥がやってきて水面に落としてくれます。

 

なぜ突然メルヘンに飛んじゃったのか、というのは

それは「町田くんの世界」で起きた奇跡なんだ、と私は思います。

あれは町田くんや猪原の気持ちが通じて、町田くんの優しさに触れた人たちの協力で会うことができた奇跡なのかな、と。

 

理解できない人がいるのは承知の上で、私の中ではラストは「すごいシーン」でした。

ちゃんと全部つながっている!

水面は「心を写すもの」とも捉えられますしね。

ストーリーだけ追っているとわかりにくいのですが、描かれていたことを細かく見ていると響くものがあると思います。

『町田くんの世界』の感想

賛否両論の映画『町田くんの世界』ですが、私が見た感想を書きますね。

いつまで制服着ていいのか問題

まず目に着いちゃうのがここですよね。

町田くんと猪原さんはともかく、他の高校生役がなかなかインパクトありました(;^_^A

 

二人がオーディションを勝ち抜いてきた新人だったので、脇をそれなりの人たちで固める必要があったのはわかります。

でも、ついつい「彼らの年齢っていくつだっけ?」「この間は社会人役で出てたよね」などと考えてしまいました。

この感想は最後までついてまわりましたね。

 

だからこそというのか、若いながらベテラン感を感じるものがありました。

前田あっちゃんはヒロインの友人役でしたが、ストーリーを進める役割ではないもののちゃんと映画にアクセントを加えていました。

さっぱりとかっこよく、でも友情を大事にしているいいキャラですね。

 

さすがだなぁ、と思ったのは池松壮亮。

パニックになって声がひっくり返るところとか本当に上手で、こんなコミカルな表現もする人なんだと引き込まれました。

かと思うと病んでるシーンは本当に暗い。

幅が広いですね。

「あの時しか見られない二人」だった

町田くん役の細田佳央太、猪原は役の関水渚はほとんど演技経験がないとのこと。

そのため演技について不満の声もありますが、私はよかったと思います。

町田くんのまっすぐで朴訥な感じ、猪原さんのあの揺れる気持ちはすごくハマっていたと思うのです。

関水渚に関しては、むしろすごく演技よかったと思いますし。

というかそもそも演技どうこうじゃなくて、彼らの10代の「あの時しか見られない二人」だったからよかったのだと思います。

全部が全部いいとは思いませんが、総合して私は好きな映画でした。
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『町田くんの世界』が好きな人におすすめの作品

『町田くんの世界』をみていて思い出した映画が2つあったので紹介します。

テイストは全然違いますがどちらもおすすめです。

ミリイ 少年は空を飛んだ

父親を亡くしたミリイが母親と弟と一緒に引っ越した先には隣りにエリックという同じ年の少年が住んでいました。

エリックは両親を事故で亡くした上、自閉症のため人とうまく関わることができずにいました。

エリックの友達になってほしいと頼まれたミリイは、エリックに不思議な能力があることを知ります。

 

あまり知られていないかもしれませんが、80年代青春映画の名作です。

タイトルにある通り空を飛ぶシーンがあること、エリックが町田くんのようにちょっと人と違うことからこの作品が頭をよぎりました。

ミリイとエリックの友情・恋愛だけでなく、家族愛や成長も描かれていて温かい気持ちになれます。

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空気人形

ある男が所有していた空気人形は、持ち主が仕事に行くと着替えて外出していました。

人形は心を持ち、外の世界で恋に落ちます。

 

空気人形ってつまりラブドールです。

だからというわけではないかもしれませんが、明るいトーンではありません。

寂しい人たちの寂しいストーリーなので、落ち込んでいる時に見るのはおすすめしません。

 

「空気人形」というタイトルに合う不思議な浮遊感のある作品でした。

人形が恋に浮かれて体が浮いてしまうシーンがあり、町田くんを見ていたら思い出しました。

 

人形役のぺ・ドゥナはどこか人間離れした雰囲気があってハマってました。

持ち主役の板尾創路もまた人形を愛でる感じがぴったりです。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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