アメリカのベテラン俳優ハーヴェイ・カイテル。
名バイプレイヤーとして存在感を残しています。
今回は独断と偏見で選んだハーヴェイ・カイテル出演映画10本をご紹介します。
目次
ハーヴェイ・カイテルのプロフィール
この投稿をInstagramで見る
生年月日:1939年5月13日
出身地:アメリカ/ニューヨーク
ユダヤ人の両親の間に生まれたハーヴェイ・カイテル。
友人に誘われて演劇を始めたのが演技の世界に入ったきっかけ。
マーティン・スコセッシと知り合い、1967年、スコセッシの長編映画第一作『ドアをノックするのは誰?』で映画デビューを果たします。
しかしその後は代表作と呼べるような作品には恵まれません。
1979年の映画『地獄の黙示録』の主役・ウィラード大尉役に抜擢されるも、監督のフランシス・フォード・コッポラとの意見の相違等により撮影開始後2週間で降板してしまいます。
そのことでハリウッドからは敬遠され、端役しか与えられなくなります。
転機となるのはリドリー・スコット監督『テルマ&ルイーズ』。
出番はそう多くないですが、主人公たちを陰で支える重要な刑事役で出演します。
その後、クエンティン・タランティーノやジェーン・カンピオンらの監督作品に出演し、意欲あるインディペンデント映画にも積極的に参加しています。
ハーヴェイカイテルのおすすめ映画は?名作・代表作
ピアノ・レッスン
19世紀半ばのニュージーランド。
口のきけないエイダは娘フローラと一台のピアノと共に嫁ぐためにやってきました。
しかし夫スチュアートはピアノを海辺に置き去りにし、べインズの土地と交換してしまいます。
ピアノを取り戻したいエイダは、ピアノのレッスンと引き換えにならと言うベインズの提案を受け入れますが、レッスンを重ねるうちにベインズに惹かれていきます……。
テーマ音楽も印象的な映画です。
エイダ役のホリー・ハンターとベインズ役のハーヴェイ・カイテル。
1993年の映画なので、この時カイテルは50歳を超えている? 改めて色気のある俳優だなぁ。
はじめて観たのはかなり昔のことで、私も娘フローラの視点でエイダとベインズのレッスンを覗き見ていたようなドキドキ感があったような気がします。
恋愛映画としても傑作ですし、エイダがピアノを弾くときだけ見せるあの生き生きとした表情がとても印象に残ります。
スモーク
舞台はニューヨーク、ブルックリンの小さな煙草屋。
毎日一眼レフカメラで定点観測をする煙草屋の店主オーギーと、煙草屋を訪れる人々が繰り広げる人間模様を描いた群像劇。
小説家ポール・オースターの短編『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』が原作でオースターは脚本も担当しています。
地味な作品でありながらじんわりしみる群像ドラマの傑作です。
オーギー役をカイテルが演じています。
街の雰囲気や煙草屋にやってくる人々、音楽も、すべてが魅力的。
テルマ&ルイーズ
夫に逆らうことができないテルマとウェイトレスのルイーズは週末旅行に出発します。
しかし途中で立ち寄ったバーでテルマが男にレイプされかけ、ルイーズが男を撃ち殺してしまいます。
楽しい旅行は一転逃避行に。犯罪者となった女性二人のロードムービー。
何十回と観ていたけれど、昨年、初めてスクリーンで観て感動しました。
この女性主人公二人は性格も正反対だけれど最高のバディ。
この映画の魅力の一つは、テルマの変化にあるなぁと思います。
そしてカイテルはというと、出番は限られていますが、二人を追う刑事ハル役です。
と言っても彼女たちのことを理解している数少ない男性の一人で、女性二人とハルの電話でのやり取りも見ものです。
ユリシーズの瞳
故郷ギリシャへ帰ってきたアメリカの映画監督Aは、ギリシャ初の映画を撮ったというマナキス兄弟の幻のフィルムを探して旅をします。
混乱を極めた時代のバルカン半島を舞台とした一大長篇。
2012年に惜しくも亡くなったギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロスが撮った3時間近いロードムービーです。
アンゲロプロス作品ではおなじみの曇天、そして長いワンカット。
よくぞハーヴェイ・カイテル主演で撮ってくれたなと思います。
できれば映画館で観たいですね。どこか名画座でまたやらないかな。
ホーリー・スモーク
ヒンズー教の熱狂的信者となってしまったルース。
ルースの家族は心配して洗脳を解く専門家P・Jに助けを求めます。
P・Jは3日間で彼女を洗脳から解くと宣言。二人は砂漠の真ん中で過ごすことに……。
監督は『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオンです。
ケイト・ウィンスレット演じるルースとカイテル演じるP・Jの官能的なシーンに惹きこまれます。
女性の性を描くカンピオンならではの映画だなぁと感じます。
レザボア・ドッグス
宝石強奪のために集まった6人の男たち。
彼らは互いの素性を知らず、それぞれを色の名前で呼び合います。
計画は完璧なはずだったのに現場へ行くと、なぜか大勢の警察が待ち構えています。
裏切者は誰なのか。彼らは互いを疑い始めます。
クエンティン・タランティーノ監督の長編第一作です。
黒いスーツ姿の6人の男たちが歩いてくるスローモーション。
このオープニング映像は有名ですよね。何度観てもかっこいい。
カイテルが演じるのは“ミスター・ホワイト”。
他にもティム・ロスやマイケル・マドセン、そしてスティーブ・ブシェーミなどが出演。
キャスティングが素敵すぎます。
タランティーノも普通に出演していて演技もうまい。
コングレス未来学会議
俳優が自らの絶頂期の姿をスキャンし、デジタルデータを映画会社が好きなように使って映画を作るというビジネスが誕生します。
40歳を超え女優としての旬も過ぎたロビン・ライトは、難病を抱えた子供を育てるシングルマザー。
子供のためにも大金を得ようと、デジタルデータを提供するという契約を結びます。
これはとても奇妙な映画です。
ドキュメンタリー・アニメーション『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン監督が、実写とアニメーションを交えて描いたフィクションドラマです。
ロビン・ライトがロビン・ライトとして出演しているし、彼女の実人生が割と反映されているので、どこからがフィクションなのか? と混乱してしまいます。
カイテルはロビン・ライトの代理人アル役。さらにポール・ジアマッティが医者役で出演しているところも見逃せないポイントです。
パルプ・フィクション
ギャングのヴィンセントとジュールスは組織を裏切った青年の家を訪れアタッシュケースを取り戻します。
ボスから頼まれてボスの妻ミアの世話をするヴィンセントは帰り際にミアが薬物を過剰摂取し昏睡状態に陥ってしまいます。
落ち目のボクサー・ブッチは八百長試合を持ちかけられるが裏切って勝利を収めてしまいます。
3つのエピソードが交錯するギャング映画。
時系列通りではない独特の構成が特徴的なタランティーノ作品。
殺害現場の掃除屋ウルフをカイテルが演じています。
出番は多くはないですが、彼が出演するシーンの長ゼリフが絶妙。
タランティーノは本当に楽しく映画を作ってるんだろうなぁと思ってしまいます。
レッド・ドラゴン
FBI捜査官ウィル・グレアムはハンニバル・レクターを逮捕後引退していましたが、猟奇殺人事件が発生して元上司ジャック・クロフォードが訪ねてきます。
捜査協力を依頼されたグレアムは期間限定で現場復帰することを決めますが……。
ハンニバル・シリーズの3作目です。
グレアムの元上司クロフォードをカイテルが。FBIや刑事役のハーヴェイ・カイテルはもう安定の存在感です。
最後まで息もつかせぬ展開。エミリー・ワトソン演じる盲目の女性がとてもいい。
アイリッシュマン
この投稿をInstagramで見る
トラック運転手のフランク・シーランは、マフィアのボスであるラッセル・バファリーノと知り合ったことをきっかけに殺し屋となります。
現在は老人ホームで暮らすシーランが、かつてアメリカの裏社会で生きてきた日々を回想する形で物語が進む長篇ギャング映画。
スコセッシの新作がNetflixで、ということに結構衝撃でした。
しかも3時間半の大長篇です。
これ本当にデ・ニーロ? と思ってしまった瞬間がいくつもありました。
シーランの半生を描いた作品なので、デ・ニーロの風貌を若返らせる特殊効果をVFXを用いて実現しています。
注目してみてください。
ハーヴェイ・カイテル出演作はTSUTAYAなら無料おためし視聴ができます。
サブスクで映画視聴するなら圧倒的な作品数と、老舗なので安心できるTSUTAYAがおすすめです!
まとめ
ハーヴェイ・カイテルはもっと評価されてもいいのになぁと思ってしまうのが正直なところ。
一度ハリウッドから干されてしまうと大変ですね。
それでも彼の渋さや色気を感じられる素晴らしい映画はありますので、気になった作品はチェックしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。