『LION/ライオン~25年目のただいま~』を見ました!
奇跡のような実話に驚き感動しましたが、タイトルの「ライオン」って?思いますよね。
主人公のニックネームかな、と思って見ていたのですが最後にようやく意味がわかりました!
今回はそんな『LION/ライオン~25年目のただいま~』のタイトルの意味についてです。
『LION/ライオン~25年目のただいま~』の作品情報
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【原題】Lion
【劇場公開日】2017年4月7日
【製作年】2016年
【製作国】オーストラリア
【配給】ギャガ
【監督】ガース・デイビス
【キャスト】デブ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン、デビッド・ウェンハム、他
あらすじ
1986年、インドのスラム街で暮らす5歳の少年サルーは、兄と仕事を探しにでかけた先で停車中の電車で眠り込んでしまい、家から遠く離れた大都市カルカッタ(コルカタ)まで来てしまう。
そのまま迷子になったサルーは、やがて養子に出されオーストラリアで成長。
25年後、友人のひとりから、Google Earthなら地球上のどこへでも行くことができると教えられたサルーは、おぼろげな記憶とGoogle Earthを頼りに、本当の母や兄が暮らす故郷を探しはじめる。
引用元:映画.com
『LION/ライオン~25年目のただいま~』のライオンとは?
もうタイトルで出落ちというか、物語そのままです。
「そうか、ライオンというニックネームの男性が25年ぶりに故郷に帰るんだな」と想像していましたが、ちょっと違いました。
映画のラスト、兄グドゥの悲しい死因など物語の総括が語られます。
そこで主人公サルーの可愛い勘違いも発覚するのです。
インドでサルーが迷子になってしまった時、彼は5歳。
まだ幼い子供でした。
子供ってきちんと発音できませんよね。
本当の彼の名前は「シェルウ」だったのです。
その「シェルウ」の意味が「ライオン」でした。
えー!じゃあ、ある意味ずっと答えが出てたのね!?
なぜライオンなのかと思ったけれど、ずっと「ライオンという名の男」だったわけです。
発音ができていないだけで。
それが幼かったせいだと思うとなんだか微笑ましいです(^^)
『LION/ライオン~25年目のただいま~』の感想
インドで貧しい暮らしをしていたサルーが迷子になり、オーストラリア人の夫婦の養子になるまでの描写が辛かったです。
インドでは、貧しいながらも兄弟仲良く暮らしていました。
お兄ちゃんもまだ小さいのに懸命に働き、弟の面倒をよく見ていました。
お母さんも、「石を運ぶ」という女性にとっては重労働をしながら子供たちを養っていました。
サルーは家族の愛情には恵まれていたと思います。
それが、急に迷子になりストリートチルドレンとなって帰れなくなってしまったのです。
これが日本ならきっと警察やその他の機関を頼ってどうにかなったと思うのですが、映画のラストでも説明がある通りインドでは年間8万人の子供が行方不明になると説明されています。
サルーが列車から降りて「家に帰りたい」と訴えても誰も取り合ってくれなかったのは、その8万人のうちの一人にしかすぎなかったからなのでしょうね。
実際、すぐ近くにストリートチルドレンがうずくまっていましたからね。
孤児院に引き取られてからも、いい生活だったとはいえず精神を病んでいる子もいました。
そんな劣悪な環境にいたサルーが裕福で思いやりのある夫婦に引き取られたのは幸運以外の何でもなかったと思います。
サルーの里親となったスーとジョンが本当に素晴らしい!
単に裕福というだけではなく、ホスピタリティに溢れていました。
スーは後にサルーを引き取った理由を言います。
子供が産めないから里親になったのではなありませんでした。
スーの父親はアルコール中毒で、スー自身の子供時代が幸せではなかったのです。
自分が親に恵まれなかったことから、孤児院にいる子供を引き取って幸せにしてあげたいと思ったのでした。
ジョンもまたスーの思いと同じで、だからスーは彼と結婚したのです。
このスーの告白に胸を打たれました。
私だったら裕福でも彼らのようにはできないと思います。
本当に頭が下がります(T_T)
サルーの実の母は、サルーが帰ってくることを待ち遠くに引っ越さずにいました。
映画の終盤、2013年に実の母とスーが対面、抱擁する映像があります。
サルーは二人の母に恵まれたのですね。
彼女たちの愛情があって、他に親切な人たちの善意がいくつも重なってサルーの帰郷が叶ったのだと思うと胸が熱くなりました。
これが実話だというのが本当にすごいことですね。
サルーが関わる人たちの善意や愛情を感じられる素敵な映画でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!