2001年公開。アマンダ・ブラウンの同名小説をロバート・ルケティック監督で映画化。
ゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル部門にて、作品賞と女優賞にノミネートされた。
2003年に続編『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX』が製作された。
『キューティブロンド』のあらすじ
エル・ウッズ(リーズ・ウィザースプーン)はCULA(ロサンゼルス市立大学)でファッション・マーチャンダイジングを学び、社交クラブ、デルタ・ヌウの会長を務める、美容とファッションが大好きな人気者。
成績はオールAで順調に卒業を迎えようとしていたある日、ボーイフレンドのワーナー・ハンティントン(マシュー・デイビス)にフラレてしまう。
理由は「30歳までに上院議員を目指す。上院議員の妻はモンローではなくジャッキーだ」。
落ち込んでしまうエルだが、ポジティブ思考を発揮して上院議員の妻にふさわしい女性になるべく彼と同じハーバード大学のロー・スクールに行くことを決意する。
猛勉強の末見事合格し、ハーバードに行くエルだが、ワーナーは「ジャッキー」タイプのヴィヴィアン・ケンジントン(セルマ・ブレア)と婚約していた。
しかも、派手なファッションでいかにも陽気なカリフォルニアガールといったエルはハーバードでは浮いてしまう。
へこたれないエルは、猛勉強し、次第に仲間を作っていく。ワーナーを追いかけてきたものの、立派な弁護士になりたいと思うようになっていく。
『キューティブロンド』の感想とネタバレ
今回改めてDVDを見てみました。公開されたのは2001年。
私もいい年になったし、今見たら子供っぽすぎて楽しめないかな、と思いましたがやっぱり面白かった!
逆境にめげず、目標を決めたら達成するまで絶対に諦めない。
そんなエルを見ている人は思わず応援したくなってしまう映画です。
なーんて書くと「ありがちね~」って思われそうだけど、エル演じるリーズ・ウィザースプーンが、演じると本当に引き込まれて見てしまうんです!
初めは金髪美人で性格もいいけどあまり賢そうではないなぁ、とブロンドジョークを体現化したような存在として描かれるのだけど、ボーイフレンドにプロポーズされそう!と浮かれるシーンは可愛らしく、振られて黒い涙で顔をグシャグシャにして歩くシーンは可哀想になり、と見入ってしまう。
でも、ハーバードに行ってワーナーを取り戻すわよ!と決意してからのエルはすごい!
水着まで披露してPRビデオを作ってハーバードの審査を通過し(この辺はコミカルに描かれて面白い!)試験も無事通過。
よかった!と見ている人も思ってしまう。
ハーバードのあるボストンでも行きつけのネイルサロンができてネイリストのポーレットと仲良くなるのだけど、そのネイリストは同棲相手と別れて自分に自信がありません。
大丈夫よ!と元気づけるエルが「男を引きつける仕草」の「かがんでパッ!」を伝授するのだけど、その練習をポーレットだけでなく、サロンにいる全員が加わってポーズを取るシーンはなんとも楽しいです。
きっとミュージカル版「キューティ・ブロンド」はこのシーンで盛り上がるんだろうなぁ、と想像してしまいます。
日本でも2017年春には神田沙也加さん主演で上演されたようですね。
知ったのが遅かったけど、見たかった~!
ポーレットが飼っていた犬を別れた同棲相手から取り戻すシーンでもエルが活躍します。
犬はポーレットが飼うべき、とその理由をちゃんと法律に則って相手に力説して取り戻します。
相手はあまり賢そうじゃないから、説明されてもポカーンという感じではあったけれど、見事取り戻すことができて、勉強の成果を見せます。
なかなか痛快で、エルが自分に自信を持ったことがわかるシーンです。
モテない男子生徒に協力してあげるシーンも可愛いです。
男の子が必死に意中の女性にアピールするのだけど、相手はつれない態度。
そこに通りかかったエルは思い切りモテない君を平手打ち。
びっくりするモテない君に「ひどいわ!私を振ったくせに!」と怒ってその場を立ち去ります。
女性はモテない君のことを「あんないいオンナを振ったイケてる男」と見るようになってデートにOKします。
まぁ、エルが美人だから成立する話なんですけどね(笑)。
そうでなかったらただの暴力的な女性です^^;
『キューティブロンド』のラスト結末
そんなふうに仲間を作って勉強にも励んだエルは、教授であり現役の敏腕弁護士のキャラハンの法律事務所の実習生に、ワーナーやヴィヴィアンと共に選ばれます。
実習で取り組む裁判で弁護するのは、夫殺しの容疑をかけられたブルック・ウィンダム。
彼女は、エルがCULAで会長を努めた社交クラブ、デルタ・ヌウの先輩で、美容ビジネスで成功を収め、財産を築いていました。
この裁判では、容疑者のブルックが殺害時刻のアリバイを言いたがらない(というか言うに言えない事情がある)ため弁護が難航するのだけど、他の弁護士にはないエルのファッショと美容の知識が役にたち、真犯人をあぶり出すのです。
エルはキャラハンにセクハラされそうになって、一度は実家に帰ろうかと思うのだけど、ブルックの信頼を得ていたので、キャラハンに代って弁護を務め、見事に勝利を収めます。
この件は本当に痛快!裁判に勝っただけでも見事だけれど、勝利を収めたエルに、元カレのワーナーが「僕が間違っていた」とよりを戻そうとするのを「30歳までに弁護士になりたいからお断り」とピシャリと言い返すところもスカッとします。
見ている人も、エルの気持ちに寄り添って応援したり、時には落ち込んだりしてしまうから、このエンディングは本当に気持ちがいいです。
エル以外のことでも面白いシーンもあります。
裁判で、ブルックと不倫関係にあったと証言するプール係の男性がいるのだけど、その男性、休憩中に給水器に並ぶエルの前に横入りしてしまいます。
イラッとしたエルが靴の踵を踏み鳴らして怒りをアピールすると「プラダの靴がそんなに自慢かよ」と睨んできます。
「ブランドに詳しい男性はゲイ」(偏見だと思うけど^^;)とピンときたエルは、彼がブルック不倫関係にあったというのは偽証だと証明したいと考えます。
エルに代って先輩弁護士のエメットがプール係にいくつか質問し、最後に「君の彼氏は?」と聞かれて思わず名前を言ってしまいます。
「違う、彼はただの友達だ」とプール係が慌てて主張すると、傍聴席にいた彼氏が「ひどいわ!」と言って退場するシーンがコミカルで笑ってしまいました。
殺人事件の裁判なのだけど、重いトーンにならず最後まで見られる演出がいいです。
それから、ワーナーの婚約者ヴィヴィアンと友情を築くところも素敵。
ヴィヴィアンは初めは嫌味な女で、ライバルであるエルに意地悪なのだけど、エルがブルックの秘密を守ったり、逆境に負けない姿勢を見て次第に彼女を認めていきます。
一方、自分の利益しか考えていないワーナーに呆れてしまう。
弁護を進めるうちにエルと仲良くなるシーンはなんだか心が温まります。
最後には、ヴィヴィアンはワーナーに愛想をつかしてエルの親友になり、ワーナーは振られた上に上院議員にもなれません。
ラスト、卒業式でエルが卒業生代表でスピーチするシーンで終わります。
勧善懲悪ではないけれどそれに近いものがあって、自分のことしか考えていなかったワーナーは恋も仕事も成就せず、エルは皆に感謝の意を現した後、笑顔で「We did it!」と叫びます。
エルの笑顔がなんとも晴れやかな気持ちにさせてくれます。
やったね、エル!と見ている人も一緒に卒業式を見守ったような気持ちです。
落ち込んだ時、誰かに背中を押して欲しい時に見たら勇気をもらえそうな映画ですよ(^^)
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